2型糖尿病におけるビデュリオン®️の効果は心不全の有無で異なりますか?(EXCEL trialのサブ解析; Circulation 2019)

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Effect of Once-Weekly Exenatide in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus With and Without Heart Failure and Heart Failure-Related Outcomes: Insights From the EXSCEL Trial.

Circulation. 2019 Nov 12;140(20):1613-1622.

doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.119.041659. Epub 2019 Sep 23.

CLINICAL TRIAL REGISTRATION: https://www.clinicaltrials.gov. Unique identifier: NCT01144338.

PMID: 31542942

【背景】

週1回のエキセナチド(Once-weekly exenatide, EQW)は、EXSCEL試験(心血管イベント低下のエキセナチド試験)で心不全による入院(hospitalization for heart failure, HHF)に対して中立的な効果があり、ベースラインの心不全(HF)状態による主要な有害心イベントに対する治療効果の差異はなかった。

HHFステータスに基づくセカンダリエンドポイントに対するEQWの影響は報告されていない。目的は、ベースラインHFの有無にかかわらず患者の二次エンドポイントに対するEQWの効果を調査し、再発性HHFイベントに対するEQWの効果を評価することだった。

【方法】

追加の心血管疾患を伴うまたは伴わない2型糖尿病患者を登録したランダム化対照EXSCEL試験の事前に指定された分析では、総死亡、各主要有害心イベント構成、最初のHHF、および反復HHFに対するベースラインによるEQW効果を分析したHFステータス(駆出率に関係なく)。

ベースライン駆出率の維持または減少によって層別化された母集団のサブグループ分析を実施した。

【結果】

・EXSCEL参加者14,752人のうち、2,389人(16.2%)がベースライン時にHFを有していた。

・ベースラインで心不全のない患者と比較して、心不全既往の患者では年齢が高く、男性および白人である可能性が高く、他の心血管疾患の負担がより高かった。

・全体として、EQWに割り当てられた患者では、総死亡の発生率(ハザード比[HR] = 0.86 [95%CI 0.77〜0.97])、総死亡またはHHFの複合アウトカム(HR = 0.89 [95%CI 0.80〜0.99])が低かった。

・ベースラインHFの有無によって層別化した場合、ベースライン時にHFを伴う患者では、EQWによる総死亡の減少は観察されなかった(HR = 1.05 [95%CI 0.85〜1.29])。一方、非HF群では総死亡の減少が認められた(HR = 0.79 [95%CI 0.68〜0.92]; 相互作用P値 = 0.031)。

・ベースライン時にHFを有さない患者において、EQW使用により総死亡あるいはHHFの減少が認められた(HR = 0.81 [95%CI 0.71〜0.93])が、ベースライン時にHFを有する群では、リスク減少は認められなかった(HR = 1.07 [95%CI 0.89〜1.29]; 相互作用P = 0.015)。

・HHFの初発あるいは再発において、プラセボと比較してエキセナチド使用群でリスクが減少した(HR = 0.82 [95%CI 0.68〜0.99]; P = 0.038)。

【結論】

EXSCEL試験では、HFの有無にかかわらずEQW使用は忍容性が良好だったが、ベースライン時にHFを有する患者では、総死亡の減少およびHFによる最初の入院に対するEQWの利点が弱まった。


【コメント】

アブストのみ。

事後解析であるため、あくまで仮設生成ではありますが、心不全を有する患者でのビデュリオン®️使用の益は少なそう。

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