心房細動患者における低用量抗凝固薬の安全性・有効性(The American Journal of Medicine 2019)
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試験背景
直接経口抗凝固薬(DOAC)は、非弁膜症性心房細動の患者における脳卒中および全身性塞栓症のリスクを軽減するが、深刻な出血性合併症を引き起こす可能性がある。 患者アウトカムに対する影響に関して、データは限られているが、出血を軽減するためのDOACの適応外の用量減少使用は日常の臨床診療では一般的である。 したがって、本試験の目的は、DOAC治療における標準用量と低用量との有効性および安全性を評価することであった。方法
本研究コホートには、Clalit Health Servicesの2011年から2017年の間に登録された、新たに非弁膜症性心房細動と診断されDOAC療法を開始した患者が含まれた。 有効性は、全死亡、脳卒中または心筋梗塞の複合アウトカムとして定義された。 安全性アウトカムは、入院を必要とする出血事象として定義された。 患者は2018年3月30日まで、あるいはアウトカム事象の発生まで追跡された。 ハザード比(HR)は、多変量回帰を用いて、並存疾患、併用薬、社会経済的要因を含む21の変数について調整された。結果
合計8,425人の患者が試験基準を満たした。 5,140人(61%)の患者が適正用量DOACで治療され、3,285人(39%)の患者が低用量DOACで治療された。 低用量治療は、複合有効性アウトカム(全死亡+脳卒中+心筋梗塞)において、より高値と関連していた:調整HR =1.57(95%CI 1.34〜1.83, P <0.001)。 さらに出血率についてもより高い値であった:調整HR =1.63(95%CI 1.14〜2.34, P=0.008)。結論
10人中4人の患者が低用量DOACで治療され、これは安全性の利益なしに有効性の低下と関連していた。本来の適用量を順守することで、本母集団のアウトカムが大幅に向上する可能性がある。Keywords: Anticoagulation, Dose-reduced, Atrial Fibrillation, Outcomes
Funding: None.
Declarations of interests: all authors report no conflicts of interest.
Authorship: all authors had access to the data and a role in writing the manuscript.
Article type: Clinical Research Study.
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