根拠となった試験の抄録
背景:抗うつ薬を中止する際の漸減の重要性はますます認識されつつある。しかしながら、これまでに発表された研究における抗うつ薬の漸減方法の報告について調査した研究はない。
目的:本研究の目的は、Template for Intervention Description and Replication(TIDieR)チェックリストを用いて、発表された系統的レビューにおける抗うつ薬の漸減法の報告の完全性を評価することである。
方法:長期抗うつ薬の使用を中止するアプローチの有効性を検討したコクランの系統的レビューに含まれる研究の二次分析を実施した。含まれる研究における抗うつ薬漸減法の報告の完全性は、TIDieRチェックリストの12項目を用いて2人の研究者が独立して評価した。
結果:22件の研究が解析に含まれた。すべてのチェックリスト項目を記述した研究報告はなかった。どのような資料が提供されたか(項目3)、テーラーリングが行われたか(項目9)を明確に報告している研究はなかった。介入の名称や研究手順(項目1)を除いて、残りのチェックリスト項目について明確に報告している研究は少数派であった。
結論:この知見は、これまでに発表された試験において抗うつ薬の漸減方法に関する詳細な報告が不足していることを浮き彫りにした。不十分な報告は、効果的な漸減介入を臨床実践にうまく移行させる可能性だけでなく、既存の介入の再現や適応を妨げる可能性があるため、これに対処する必要がある。
キーワード:抗うつ薬、中止、報告、漸減
引用文献
An assessment of the reporting of tapering methods in antidepressant discontinuation trials using the TIDieR checklist
Amy McGoldrick et al. PMID: 37269440 DOI: 10.1007/s11096-023-01602-z
Int J Clin Pharm. 2023 Jun 3. doi: 10.1007/s11096-023-01602-z. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37269440/
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