ケアホームにおける薬剤師による独立処方の有効性と安全性は?(クラスターRCT; BMJ. 2023)

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根拠となった試験の抄録

目的:ケアホームにおける薬局単独処方の有効性、費用対効果(別途報告)、安全性を推定すること。

試験デザイン:クラスターランダム化比較試験で、薬剤師による独立した処方、一般診療所、1~3ヵ所の関連ケアホームの3つ(トライアド)をクラスターとする。

試験設定:イングランド、スコットランド、北アイルランドのケアホーム、関連する一般診療所、薬剤師による独立した処方者がトライアド構成となる。

試験参加者:49のトライアドと882例の入居者がランダムに割り付けられた。参加者は65歳以上で、少なくとも1つの処方薬を服用しているケアホームの入居者で、20例/トライアドに募集された。

介入:各薬局の独立処方者は、1~3ヵ所のケアホームで約20例の入居者に薬物ケアを提供し、6ヵ月にわたって毎週訪問した。薬局独立処方者は、各入居者の医薬品ケアプランを作成し、医薬品のレビュー/再調整を行い、スタッフを訓練し、医薬品関連手続き、脱処方、処方の認可をサポートした。対照群の参加者は通常のケアを受けた。

主要アウトカム評価:主要アウトカムは6ヵ月後の転倒率/人で、intention to treatで分析し、予後変数で調整した。副次的アウトカムはQOL(EQ-5D、代理評価)、Barthelスコア、Drug Burden Index、入院、死亡などであった。転倒が21%減少すると仮定すると、20%の減少を考慮して880例の入所者が必要であった。

結果:研究開始時の参加者の平均年齢は85歳で、70%が女性であった。介入群では697件(入居者1人当たり1.55件)の転倒が記録され、対照群では6ヵ月時点で538件(入居者1人当たり1.26件)の転倒が記録された。介入群と対照群の転倒率リスク比は、すべてのモデル共変量で調整後、有意ではなかった(0.91、95%信頼区間 0.66~1.26)。副次的アウトカムは群間で有意差はなかったが、Drug Burden Indexは例外であり、介入群が有意に有利であった。薬局独立処方者による介入の3分の1(185/566例;32.7%)が転倒に関連する医薬品に関与していた。有害事象や安全性に関する懸念は確認されなかった。

結論:転倒という主要アウトカムの変化は有意ではなかった。追跡期間を6ヵ月に限定したことと、転倒に影響を及ぼすと予測された介入の割合が少なかったことが、この結果を説明する可能性がある。Drug Burden Indexの有意な減少が認められ、患者にとって将来の臨床的利益がもたらされると予測された。ケアホーム入居者に対する週1回の集中的な薬剤師介入に関するこの大規模試験は、安全な好評であることも明らかにされた。

試験登録番号:ISRCTN 17847169

引用文献

Evaluation of effectiveness and safety of pharmacist independent prescribers in care homes: cluster randomised controlled trial
Richard Holland et al. PMID: 36787910 PMCID: PMC9926330 DOI: 10.1136/bmj-2022-071883
BMJ. 2023 Feb 14;380:e071883. doi: 10.1136/bmj-2022-071883.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36787910/

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