体重減少のためのカロリー計算なしの食事時間制限法は有効ですか?(Open-RCT; Ann Intern Med. 2023)

family having dinner together 食事
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根拠となった試験の抄録

背景:カロリー計算を行わない時間制限食(食事時間制限法:Time-restricted eating)は人気のある減量戦略となっているが、その有効性を評価する長期ランダム化試験は限られている。

目的:食事時間制限がカロリー制限(calorie restriction)またはコントロールと比較して、体重コントロールおよび心代謝リスク軽減に有効であるかどうかを明らかにすること。

試験デザイン:12ヵ月ランダム化比較試験(ClinicalTrials.gov: NCT04692532)

試験設定:イリノイ大学シカゴ校で2021年1月~2022年9月に実施。

試験参加者:肥満の成人90例。

介入:8時間の食事時間制限(正午〜午後8時までの間の食事のみ、カロリー計算なし)、カロリー制限(1日25%のエネルギー制限)、コントロール(1日10時間以上の食事)。参加者は盲検化されなかった。

測定: 12ヵ月目までの体重、代謝マーカー、エネルギー摂取量の変化

結果:77例(85.6%)が研究を完了した。平均年齢は40歳(SD 11)、33%が黒人、46%がヒスパニック系であった。エネルギー摂取量の平均減少量は、食事時間制限群で-425kcal/日(SD 531)、カロリー制限群で-405kcal/日(SD 712)であった。対照群と比較して、12ヵ月目までの体重減少は、食事時間制限群で-4.61kg(95%CI -7.37 ~ -1.85kg;P≦0.01)(-4.87%、CI -7.61% ~ -2.13%)、カロリー制限群で-5.42kg(CI -9.13 ~ -1.71kg;P≦0.01)(-5.30%、CI -9.06% ~ -1.54%)であり、食事時間制限とカロリー制限の間に統計学的有意差は認められなかった(0.81kg、CI -3.07kg ~ 4.69kg;P=0.68)(0.43%、CI -3.48% ~ 4.34%)。

試験の限界:盲検化されていない、体重減少の比較的大きな差を検出する検出力がない、多重比較の調整不足。

結論:人種的に多様な集団において、時間制限食は対照と比較して体重減少をもたらすのに有効であるが、カロリー制限よりも有効ではなかった。

主要資金源:米国国立衛生研究所、国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所

引用文献

Time-Restricted Eating Without Calorie Counting for Weight Loss in a Racially Diverse Population : A Randomized Controlled Trial
Shuhao Lin et al. PMID: 37364268 DOI: 10.7326/M23-0052
Ann Intern Med. 2023 Jun 27. doi: 10.7326/M23-0052. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37364268/

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