2022-09

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05_内分泌代謝系

メトホルミンで治療中の2型糖尿病患者において、インスリン グラルギンU-100、グリメピリド、リラグルチド、あるいはシタグリプチン、どれを追加するのが良いのか?(RCT; GRADE試験; N Engl J Med. 2022)

2型糖尿病患者における微小血管および心血管疾患の転帰に関して、メトホルミンに追加する一般的な血糖降下薬の比較有効性に関するデータは不足しています。そこで今回は、インスリン、スルホニルウレア(SU)系薬、GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬の追加による有効性・安全性について検証したGRADE試験…
00_その他

COVID-19インフォデミック – 誤情報を見抜くための5つのチェック項目を紹介

米国を含む世界中で、医療関係者と患者は、パンデミックとinfodemic(インフォデミック:不正確な情報の拡散による混乱)の両方に直面しています。前者はSARS-CoV-2によって、後者は誤報と偽情報によって引き起こされています。アネンバーグ パブリック ポリシー センターがソーシャルメディアとレ…
02_循環器系

心不全治療におけるポリファーマシーの定義と、その割合はどのくらい?(システマティックレビュー; Heart Fail Rev. 2022)

ポリファーマシーは、ますます一般的になってきている現象で、一人の個人が複数の薬剤を使用することを指しています。ポリファーマシーの普遍的な定義はありませんが、毎日5種類以上の薬を服用するという数値的な定義が一般的です。ポリファーマシーの出現は、人口の高齢化と多疾病(すなわち、複数の疾患の存在)の蔓延…
02_循環器系

経皮的冠動脈インターベンションを受ける安定化した急性心筋梗塞患者におけるDAPTにはチカグレロルとクロピドグレルどちらが良さそうですか?(PROBE; TALOS-AMI試験; Lancet. 2021)

チカグレロル(商品名:ブリリンタ)はcyclo pentyl triazolo pyrimidine(CPTP)系の薬剤に分類される抗血小板薬です。クロピドグレルやプラスグレルなどのチエノピリジン系の薬剤は血小板のP2Y12受容体に"不可逆的"に結合して血小板凝集作用を阻害するのに対し、チカグレロ…
02_循環器系

日本における高血圧妊婦への降圧剤処方傾向の推移は?(後向きコホート研究; Hypertens Res. 2022)

高血圧症は妊婦において、高頻度で認められる疾患の一つです。妊婦を対象としたランダム化比較試験の実施は倫理的側面から困難であり、主にレジストリー研究やコホート研究の結果を参照することになります。妊娠中の降圧薬使用は、胎児への影響があることから、使用できる薬剤は限られており、これまでメチルドパ(商品名…
02_循環器系

急性非心臓塞栓性虚血性脳卒中後の脳梗塞や脳出血に対する第XIa因子阻害剤アスンデキサンの効果はどのくらいですか?(BD-RCT; PACIFIC-Stroke試験; Lancet 2022)

第XI因子(FXI)は血栓形成に深く関わっていますが、止血への関与は部分的であることが明らかになっています。したがって、FXIの活性阻害によって、出血リスクを高めずに病的血栓形成を抑制できる可能性が示唆されており、新たな抗凝固薬開発のターゲットになっています。Asundexian(アスンデキサン:…
04_消化器系

プロバイオティクス製剤はイリノテカン誘発性の下痢を予防できますか?(DB-RCT; 小規模; Complement Ther Med. 2015)

イリノテカンは、結腸結腸がんの治療に使用される薬剤の一つですが、下痢の高い発生率が課題です。イリノテカン誘発性の下痢は使用患者全体の60〜90%に発生し、重度下痢は20〜40%であることが知られています。イリノテカンによる下痢は、発生時期により、早期性下痢および遅発性下痢の2相に分けることができま…
02_循環器系

急性心筋梗塞に対するエンパグリフロジンの効果は?(DB-RCT; EMMY試験; Eur Heart J. 2022)

駆出率低下型慢性心不全(HFrEF)において、ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2i)は、心不全による入院のリスクを低減し、全死亡および心血管死亡のリスクを低減することが示されています。また、最近のエビデンスでは、急性心不全後の治療開始が有益であることが示されています。さらに、エンパ…
07_腎・泌尿器系

血液透析患者の貧血治療におけるダプロデュスタット週3回投与の効果は?(DB-RCT; ASCEND-TD試験; Clin J Am Soc Nephrol. 2022)

血液透析患者の貧血治療においてダプロデュスタットの週3回投与は有効か? ダプロデュスタットは、慢性腎臓病(CKD)の貧血治療薬として使用されている低酸素誘導因子プロリル水酸化酵素阻害薬(HIF-PHI)です。2022年8月現在、ダプロデュス...
02_循環器系

治療抵抗性高血圧患者における第4降圧薬としてアルドステロン拮抗薬とβ遮断薬、どちらが良いのか?(後向きコホート研究; Hypertension. 2022)

治療抵抗性高血圧患者における降圧薬の第4選択薬は何が良いのか? 高血圧治療ガイドライン2019によれば、積極的適応がない場合の高血圧に対しては、最初に投与すべき降圧薬として、Ca拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、アンギオテン...
07_腎・泌尿器系

腎機能別のステロイド系ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬の有効性・安全性は?(大規模RCTのメタ解析; JACC HF 2022)

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)は、腎機能障害患者において充分に使用されておらず、慢性腎臓病(CKD)患者におけるその有効性は不明です。そこで今回は、腎機能障害患者の各推定糸球体濾過量(eGFR)におけるMRAの有効性・安全性について検証した大規模ランダム化比較試験のメタ解析の結果をご紹…
00_その他

チョコレート摂取量と認知機能、ノーベル賞受賞者の関係性は?(N Engl J Med. 2012)

植物性食品に豊富に含まれる食物性フラボノイドは、認知機能を改善することが示されています。特に、認知症リスクの減少、いくつかの認知テストの成績向上、軽度障害のある高齢者患者の認知機能の改善は、フラボノイドの定期的な摂取と関連しています。ココア、緑茶、赤ワイン、いくつかの果物に広く含まれるフラバノール…
05_内分泌代謝系

厳格な血糖コントロールの再検討:血糖降下作用と主要有害心血管イベントの発生に関連性はあるのか?(RCTのSR&MA; Diabetes Obes Metab. 2022)

2型糖尿病の治療は、血糖コントロールですが、これは糖尿病に特徴的な合併症や糖尿病に起こりやすい併発症の発症、増悪を防ぐことで、健康人と変わらない生活の質(quality of life:QOL)を保ち、健康人と変わらない寿命を全うするためです。つまり血糖コントロールは手段であり、目的は健康人と変わ…
02_循環器系

アピキサバン、リバーロキサバン、ダビガトランを使用中の心房細動患者におけるフルコナゾール全身投与の影響は?(クロスオーバー試験; Am J Med. 2022)

DOACにフルコナゾールを併用すると出血リスクは増加するのか? アゾール系抗真菌剤の全身投与は、非ビタミンK拮抗型経口抗凝固薬(NOAC、DOAC)投与中の患者において出血のリスクを高めるとされており(PMID: 29562325)、併用投...
00_その他

ポリファーマシーを有する高齢患者の退院時の服薬確認と情報伝達の強化は初回再入院を減らせますか?(クラスターRCT; J Gen Intern Med. 2022)

ポリファーマシーと不適切な薬剤処方は、薬物有害事象、薬物相互作用、服薬エラー、服薬アドヒアランス低下の主な危険因子であり、多病合併高齢者における罹患率、入院率、コスト、死亡率を増加させます。ポリファーマシーの普及を認識し、各国当局やWHOは、薬害を減らすために不適切な薬剤の処方を控えるよう提唱して…
05_内分泌代謝系

スタチン治療が筋肉症状に及ぼす影響は少ない?(RCTのメタ解析; Lancet. 2022)

心筋梗塞や虚血性脳卒中を中心とする動脈硬化性心疾患は、2019年の世界の死亡者数約1,800万人を占め、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールは主要な原因危険因子であることが示されています。ランダム化比較試験により、3-ヒドロキシ3-メチルグルタリル-コエンザイムA還元酵素阻害薬(スタチン系…
02_循環器系

心筋症患者の除細動器植込み前の単形性心室頻拍に対する早期アブレーションは有効ですか?(RCT; PAUSE-SCD試験; Circulation. 2022)

植え込み型除細動器(ICD)は心室頻拍(VT)や心室細動といった命に関わる重症な不整脈を経験した患者、あるいはその可能性が高いと予測される患者が適応となります。これらの不整脈にはICDの他に薬物治療やカテーテルアブレーションなども行われますが、ICDが最も効果的と言われています。特に、心筋梗塞や心…
70_医療経済学

長寿者は非長寿者と比較して人生の最後の年の医療費が低い?(奈良県の後向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2021)

長寿者は他の年齢層に比べて重症化する期間が短い傾向にあることが研究で示されていますが、人生の最後の年に利用される医療資源の規模を示す指標となりうる長寿者の医療費に着目した研究はほとんどありません。そこで今回は、日本人の長寿者と非長寿者の死亡前1年間の月別医療費を年齢と性別で比較した後向きコホート研…
00_その他

心血管スクリーニング検査は死亡リスクを低減しない?(RCT; DANCAVAS試験; N Engl J Med. 2022)

死亡リスクに関して、集団ベースの心血管系疾患スクリーニングの有益性を示唆するデータは限られています。心血管系疾患のスクリーニングが有効であるかどうか検証が求められます。そこで今回は、潜在性心血管疾患に対するスクリーニングが死亡リスクを低下できるか検証したランダム化比較試験の結果をご紹介します。本試…
02_循環器系

心血管系二次予防における多剤併用(ポリピル)戦略は有効ですか?(RCT; SECURE試験; N Engl J Med. 2022)

心筋梗塞後の心血管死および合併症の二次予防戦略としてのポリピル戦略は有効なのか? 心筋梗塞後の心血管死および合併症の二次予防の簡便な方法として、予後改善に関連する主要薬剤(アスピリン、アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、スタチン)を含...
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