痛風治療におけるアロプリノールとフェブキソスタットの有効性比較(RCT; NEJM Evidence 2022)

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フェブキソスタットの方が尿酸低下作用が強いとされているが、、、

高尿酸血症の治療において、アロプリノールとフェブキソスタットがよく用いられます。国内においてアロプリノールは1日2〜3回の服用であるため、1日1回のフェブキソスタットの使用量が増加しています。用法以外にも尿酸値低下作用において、アロプリノールよりもフェブキソスタットの方が強いとされており、いわゆる「切れ味の強さ」でフェブキソスタットが用いられる機会が増えているように考えられます。しかし、現在のガイドラインに従って両薬剤を使用した場合の相対的な有効性と安全性については不明です。

そこで今回は、痛風および高尿酸血症(33%以上がステージ3の慢性腎臓病)を有する参加者を、アロプリノールまたはフェブキソスタットにランダムに割り付け、血清尿酸値を目標に用量を漸増する72週間の二重盲検非劣性試験の結果をご紹介します。

試験結果から明らかになったことは?

本試験の参加者は940例であり、そのうち20.1%が参加を取りやめました。試験参加の撤回割合は各治療群でほぼ同様でした。

アロプリノール投与群フェブキソスタット投与群P値
1回以上の痛風フレア発生率36.5%43.5%非劣性P<0.001

観察投与期(49〜72週)において、アロプリノール投与群の36.5%が1回以上の痛風フレアが認められたのに対し、フェブキソスタット投与群では43.5%でした(非劣性P<0.001)。全体として、80%の参加者が維持投与期(25〜48週)に平均目標尿酸値を達成し、群間差はありませんでした。

重篤な有害事象(心血管イベントを含む)についても、治療による差は認められませんでした。

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有料文献であるため、詳細については不明ですが、観察投与期(49〜72週)において、アロプリノール投与群の36.5%が1回以上の痛風フレアが認められたのに対し、フェブキソスタット投与群では43.5%でした。非劣性が認められていますが、点推定値だけ見れば、絶対差は7%とアロプリノールの方が良さそうな結果です。

本試験の特徴は、漸増投与(0〜24週)、維持投与(25〜48週)、観察投与(49〜72週)の3相で行われたことです。アロプリノールとフェブキソスタット、それぞれの1日用量は100mgと40mgから開始され、最大でそれぞれ800mgと120mgまで漸増されました。さらに第1期と第2期では抗炎症剤の予防投与が行われました。両薬剤ともに最大用量は日本での承認用量を上回っていますので、同様の結果が得られるのかについては不明です。とは言え、各薬剤の用量についてはアロプリノール200〜300mg(適宜増減の解釈次第では400〜600mg)、フェブキソスタット60mgと、ほぼ同様の用量比です。薬剤のタイトレーションを丁寧に行えば、アロプリノールの方が費用対効果で優れている可能性が高いと考えられます。

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✅まとめ✅ アロプリノールは、1回以上の痛風フレアの抑制においてフェブキソスタットに対して非劣性であった。

根拠となった試験の抄録

背景:高尿酸血症の治療において、アロプリノールとフェブキソスタットを現在のガイドラインに従って使用した場合の相対的な有効性と安全性は不明である。この二重盲検非劣性試験により、これらの問題を検討した。

方法:痛風および高尿酸血症(33%以上がステージ3の慢性腎臓病)を有する参加者を、アロプリノールまたはフェブキソスタットにランダムに割り付け、血清尿酸値を目標に用量を漸増する72週間の試験を実施した。試験は、漸増投与(0〜24週)、維持投与(25〜48週)、観察投与(49〜72週)の3相で行われた。アロプリノールとフェブキソスタット、それぞれの1日用量は100mgと40mgから開始され、最大でそれぞれ800mgと120mgまで漸増された。第1期と第2期では抗炎症剤の予防投与が行われた。主要評価項目は、第3相試験中に1回以上再燃を経験した患者の割合とし、アロプリノールとフェブキソスタットの非劣性マージンは8%未満と事前に規定された。副次的評価項目は、慢性腎臓病患者における有効性、血清尿酸値の目標値を達成した割合、および重篤な有害事象とした。

結果:本試験には940例の参加者があり、20.1%が参加を取りやめ、その割合は各治療群でほぼ同様でした。観察投与期(49〜72週)において、アロプリノール投与群の36.5%が1回以上の痛風フレアを起こしたのに対し、フェブキソスタット投与群では43.5%でした(非劣性についてはP<0.001)。全体として、80%の参加者が維持投与期(25〜48週)に平均目標尿酸値を達成し、治療による差はなかった。
重篤な有害事象(心血管イベントを含む)についても、治療による差は認められなかった。

結論:アロプリノールとフェブキソスタットは、痛風患者において血清尿酸値の目標を達成した。アロプリノールは、1回以上の痛風フレアの抑制においてフェブキソスタットに対して非劣性であった。ステージ3の慢性腎臓病を有する患者でも同様の結果が得られた(退役軍人省研究開発局協同研究プログラムによる資金提供。ClinicalTrials.gov ID、NCT02579096)。

引用文献

Comparative Effectiveness of Allopurinol and Febuxostat in Gout Management
James R. O’Dell et al. Published February 3, 2022 DOI:https://doi.org/10.1056/EVIDoa2100028
N Eng J Med Evidence 2022
ー 続きを読む https://evidence.nejm.org/doi/full/10.1056/EVIDoa2100028

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