Association Between Administration of Systemic Corticosteroids and Mortality Among Critically Ill Patients With COVID-19: A Meta-analysis
WHO Rapid Evidence Appraisal for COVID-19 Therapies (REACT) Working Group
JAMA. 2020 Sep 2. doi: 10.1001/jama.2020.17023. Online ahead of print.
試験の重要性
コロナウイルス疾患2019(COVID-19)患者に対する有効な治療法が必要とされており、低用量デキサメタゾンが呼吸器サポートを必要としたCOVID-19入院患者の死亡率を減少させることが臨床試験データで示されている。
目的
通常のケアまたはプラセボと比較した副腎皮質ステロイドの投与と28日間の全死亡率との関連を推定する。
試験デザイン、設定、参加者
COVID-19の重症患者1,703例を対象にコルチコステロイドの有効性を評価したランダム化臨床試験7件のデータをプールしたプロスペクティブメタアナリシス。
試験は2020年2月26日から2020年6月9日まで12カ国で実施され、最終追跡日は2020年7月6日とした。
プールされたデータは、個々の試験、全体、および事前に定義されたサブグループで集計した。バイアスのリスクはコクラン・リスク・オブ・バイアス評価ツールを用いて評価した。
試験結果間の不整合は、I2統計量を用いて評価した。
一次解析は全死亡率の逆分散加重固定効果メタアナリシスで、介入と死亡率との関連をオッズ比(OR)を用いて定量化した。
ランダム効果メタアナリシス(不均一性のPaule-Mandel推定値とHartung-Knapp調整を利用)およびリスク比を用いた逆分散加重固定効果分析も実施された。
曝露
患者は、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、またはメチルプレドニゾロンの全身投与(678例)、通常のケアまたはプラセボ投与(1,025例)にランダム割り付けされた。
主要アウトカムおよび測定法
主要アウトカムは、ランダム化後28日目の全死亡率であった。副次的アウトカムは、治験責任医師が定義した重篤な有害事象であった。
結果
・合計1,703例(年齢中央値 60歳[中間値範囲 52~68歳];女性 488例[29%])が解析に含まれた。
・バイアスのリスクは、7つの死亡率アウトカムのうち試験6件で「低い」と評価され、試験1件ではランダム化の方法のために「いくつかの懸念がある」と評価された。試験5件では28日目に死亡が報告され、試験1件では21日目に死亡が報告され、試験1件では30日目に死亡が報告された。
・コルチコステロイドにランダム化された患者678例のうち死亡は222例、通常のケアまたはプラセボにランダム化された患者1,025のうち、死亡は425例であった。
★summary OR 0.66、95%CI 0.53〜0.82;固定効果メタアナリシスに基づくP<0.001
・試験結果の間にはほとんど矛盾がなく(I2 = 15.6%;不均一性についてはP = 0.31)、ランダム効果メタアナリシスに基づくsummary ORは0.70(95%CI 0.48〜1.01;P = 0.053)であった。
・死亡率との関連についての固定効果summary ORは、通常のケアまたはプラセボと比較したデキサメタゾンでは0.64(95%CI 0.50〜0.82;P<0.001)であった(試験3件、患者数1,282例、死亡数527例)。
・ヒドロコルチゾン(試験3件、患者374例、死亡94例)のORは0.69(95%CI 0.43〜1.12;P = 0.13)であり、メチルプレドニゾロン(試験1件、患者47例、死亡26例)のORは0.91(95%CI 0.29〜2.87;P = 0.87)であった。
・重篤な有害事象を報告した試験6件のうち、コルチコステロイドに割り付けられた患者354例でイベント64件、通常のケアまたはプラセボに割り付けられた患者342例でイベント80件が発生した。
結論および関連性
COVID-19を有する重症患者を対象とした臨床試験のプロスペクティブメタアナリシスにおいて、通常のケアまたはプラセボと比較して、全身性コルチコステロイドの投与は28日間の全死亡率の低下と関連していた。
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