ACE阻害薬あるいはARB使用による重度COVID-19罹患および入院リスクはどのくらいですか?(英国 人口ベース 前向きコホート研究; Heart. 2020)

Risk of severe COVID-19 disease with ACE inhibitors and angiotensin receptor blockers: cohort study including 8.3 million people

Julia Hippisley-Cox et al.

Heart. 2020 Jul 31;heartjnl-2020-317393. doi: 10.1136/heartjnl-2020-317393. Online ahead of print.

PMID: 32737124

DOI: 10.1136/heartjnl-2020-317393

Keywords: cardiac risk factors and prevention; diabetes; epidemiology; hypertension; primary care.

背景

アンジオテンシン降圧酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)とCOVID-19との関連性については不明な点がある。

我々は、これらの薬剤を処方された患者が重度のCOVID-19に罹患し、それに伴う集中治療室(ICU)への入院を受けるリスクに変化があるかどうかを検討した。

方法

本研究は、英国の一般診療所1,205施設から日常的に収集したデータを用いたプロスペクティブコホート研究であり、20~99歳の828万人の参加者を対象とした。

Cox比例ハザードモデルを用いて、ACE阻害薬およびARB薬への曝露について、社会統計学的因子、併用薬、地域を調整した調整HRを導出した。

主要アウトカムは以下の通りであった。

  • RT-PCRで診断されたCOVID-19疾患
  • COVID-19でICUケアを受けた疾患。

所見

・COVID-19を有する患者19,486例のうち、1,286例(6.6%)がICUケアを受けた。

・ACE阻害薬はCOVID-19のリスクを有意に減少させた(調整HR 0.71、95%CI 0.67~0.74)が、幅広い交絡因子を調整した後のICU治療のリスクの増加はなかった(調整HR 0.89、95%CI 0.75~1.06)。

・ARBの調整後HRはCOVID-19で0.63(95%CI 0.59~0.67)、ICUケアで1.02(95%CI 0.83~1.25)であった。

・COVID-19については、民族性とACE阻害薬およびARBとの間に有意な相互作用が認められた。

・ACE阻害薬と関連したCOVID-19のリスクは、白人群(調整HR 0.66、95%CI 0.63~0.70)よりもカリブ海諸国(調整HR 1.05、95%CI 0.87~1.28)および黒人アフリカン(調整HR 1.31、95%CI 1.08~1.59)群の方が高かった。

・ARBを伴うCOVID-19のリスクは、白人群(調整HR 0.56、95%CI 0.52~0.62)よりも黒人アフリカン群(調整HR 1.24、95%CI 0.99~1.58)の方が高かった。

結果の解釈

ACE阻害薬とARBは、幅広い変数を調整した後のCOVID-19のリスク低下と関連している。

ACE阻害薬もARBもICUケアを受けるリスクの有意な増加とは関連していない。

異なる民族間でのばらつきは、COVID-19の感受性と重症度に対するACE阻害薬/ARBの民族特異的な効果の可能性を示唆しており、さらなる研究が必要である。

✅まとめ✅ ACE阻害薬とARB使用はCOVID-19感染リスクを低下と関連しているかもしれないが、ICU入院リスクとの関連は認められなかった

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