Treatment With ACE Inhibitors or ARBs and Risk of severe/lethal COVID-19: A Meta-Analysis
Maria Elena Flacc et al.
Heart. 2020 Jul 1;heartjnl-2020-317336. doi: 10.1136/heartjnl-2020-317336. Online ahead of print.
PMID: 32611676
DOI: 10.1136/heartjnl-2020-317336
Keywords: cardiac risk factors and prevention; hypertension; meta-analysis.
目的
ACE阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の使用は、重症または致死的なCOVID-19のリスクを増加させるか、または減少させるかのどちらかであるという仮説が立てられている。
利用可能な観察研究から得られた知見にはばらつきがあり、パンデミック中はこれらの薬剤の使用を中止すべきか、あるいは患者や医師が確実に安心すべきかを解明するためには、総括的な推定値が早急に必要である。
この調整された観察データのメタアナリシスは、これらの薬剤と重症/致死的COVID-19との関連性に関する既存のエビデンスをまとめることを目的とした。
方法
我々は、2020年6月8日までにMedLine、Scopus、およびpreprint repositoriesを検索し、(1)ACE阻害薬、(2)ARB、(3)両方の治療を受けた高血圧患者と未治療の患者の間で、高血圧患者の重症/致死的COVID-19(機械換気、集中治療室入院、または死亡のいずれか)のリスクを比較したコホート研究(retrieve cohort)または症例対照研究を検索した。
データは一般的な逆分散法を使用したランダム効果を用いて結合された。
結果
・解析には研究10件が含まれ、高血圧患者9,890例が登録された。
・未治療の被験者と比較して、ACE阻害薬またはARBのいずれかを使用した被験者では、重度または致死的なCOVID-19のリスクは同等であった。
★ACE阻害薬:サマリーオッズ比(OR)=0.90、95%CI 0.65~1.26
★ARB:OR =0.92、95%CI 0.75~1.12
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・死亡アウトカムにおいて、有意かつ異なる結果が得られた研究を除外した場合、ACE阻害薬およびARBを一緒に検討しても結果に変化はなかった。
結論
今回のメタアナリシスは、医師から別段の助言がない限り、すべての患者に対してARBまたはACE阻害薬を継続するようにといういくつかの学会の勧告を強く支持するものであり、安心すべきである。
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