多種類の抗血栓薬使用中の虚血性心疾患患者における上部消化管出血に対するボノプラザンあるいはPPIの効果はどのくらいですか?(日本データベース研究; J Cardiol. 2020)

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Upper gastrointestinal bleeding in Japanese patients with ischemic heart disease receiving vonoprazan or a proton pump inhibitor with multiple antithrombotic agents: A nationwide database study.

Tsujita K et al.

J Cardiol. 2020 Mar 14. pii: S0914-5087(20)30068-X.

doi: 10.1016/j.jjcc.2020.02.012.

PMID: 32184027

KEYWORDS: Antithrombotic; Gastrointestinal bleeding; Ischemic heart disease; Proton pump inhibitors; Vonoprazan

背景

ボノプラザンはプロトンポンプ阻害薬(PPI)の代替薬として発売されている。

本研究では、二重抗血小板療法(DAPT)を受けている患者を含め、2種類以上の抗血栓薬を服用している虚血性心疾患(ischemic heart disease, IHD)患者において、ボノプラザンあるいはPPI治療による上部消化管出血(UGIB)の発生を比較した。

方法

2016年から2017年までの日本の診断手順併用データ(Japanese Diagnosis Procedure Combination data)を用いて、ボノプラザンを併用している新規抗血小板薬を含む2種類以上の抗血小板薬を処方されているIHD患者16,415人を同定した(ボノプラザン:n=2,226人、PPI:n=14,189人)。

UGIB発生については逆確率加重Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

UGIB発生に対するボノプラザンのPPI治療に対する非劣性を評価した。

結果

・ボノプラザンおよびPPI治療を受けた患者における6ヵ月間のUGIB発生率は、それぞれ3.14%(70/2,226例)、4.17%(591/14,189例)であった。

・調整後ハザード比(aHR)は0.84で、非劣性マージン(HR=2.06)を有意に下回ったため(p<0.0001)、ボノプラザン治療はUGIBイベントの発生に関してPPIより非劣性であることが示された。

・しかし、治療法間の差は統計的に有意ではなかった[aHR=0.84、95%信頼区間(CI) 0.65~1.07;p=0.154]。

・サブグループ解析では、DAPT治療中の患者におけるボノプラザンおよび他のPPI治療によるUGIB発生率はそれぞれ2.82%(22/779例)および3.96%(209/5,276例)であった。

★aHR=0.74、95%CI 0.48〜1.16;p=0.189)、非劣性を実証した(p<0.0001)

結論

新規の抗血小板薬を含むDAPT治療中のIHD患者において、6ヵ月間のUGIB発生率に対するボノプラザンはPPIに非劣性だった。

✅まとめ✅ DAPT治療中の虚血性心疾患患者における6ヵ月間のUGIB発生率において、ボノプラザンはPPIに非劣性だった

✅まとめ✅ 両群間に差はなかった:aHR=0.84、95%CI 0.65~1.07;p=0.154

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