COVID-19における胸部CTとRT-PCRの有用性はどのくらいですか?(症例シリーズ研究; Radiology. 2020)

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Correlation of Chest CT and RT-PCR Testing in Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in China: A Report of 1014 Cases

Tao Ai et al.

Radiology. 2020

PMID: 32101510

DOI: 10.1148/radiol.2020200642

Keywords: 2019-nCoV pneumonia; chest CT imaging; diagnostic value; positive rate; reverse transcription polymerase chain reaction.

背景

胸部CTは、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)テストの重要な補完として、2019年の新規コロナウイルス病(COVID-19)の診断に使用されている。

目的

COVID-19のRT-PCRアッセイと比較して、胸部CTの診断値と一貫性を調査する。

方法

2020年1月6日から2020年2月6日まで、中国の武漢にある胸部CT検査とRT-PCR検査の両方を受けた患者1,014人が含まれた。

参照標準としてRT-PCRを使用して、COVID-19の診断における胸部CTの性能を評価した。 さらに、複数のRT-PCRアッセイの患者について、RT-PCRの結果の動的変換(それぞれ、ネガティブからポジティブ、ポジティブからネガティブ)を、4日以上の時間間隔を持つ患者の連続胸部CTスキャンと比較して分析した 。

結果

・患者1,014人のうち、59%(601/1,014)がRT-PCR陽性であり、88%(888/1,014)が胸部CTスキャンで陽性だった。

・COVID-19における胸部CTの感度は、RT-PCRの陽性結果に基づくと97%(95%CI 95-98%、580/601例)だった。

・RT-PCRの結果が陰性の患者では、75%(308/413)が胸部CT所見で陽性だった。

・308のうち、48%が非常に罹患の可能性が高いケースと見なされ、33%が可能性が高いケースと見なされた。

・連続RT-PCRアッセイおよびCTスキャンの分析により、最初の陰性から陽性のRT-PCR結果までの平均間隔時間は5.1±1.5日だった。最初の陽性からその後の陰性RT-PCR結果は6.9±2.3日だった。

・症例の60%〜93%は、最初の陽性RT-PCR結果の前(または並行)にCOVID-19と一致する初期陽性CTを有していた。

・42%(24/57)の症例は、RT-PCRの結果が陰性になる前に、フォローアップ胸部CTスキャンの改善を示した。

結論

胸部CTはCOVID-19の診断に対して高い感度を示す。 胸部CTは、流行地域での現在のCOVID-19検出の主要なツールと考えられる。

コメント

以前から問題視されているRT-PCRの全例実施。理由はRT-PCRの感度が低いからです。今後、症例が集積していくと更に感度が低下すると考えられます。

さて、本研究はRT-PCRと胸部CTスキャン、更に臨床症状を照らし合わせ、COVID-19に対する検査の感度を検証しました。結果として胸部CTスキャンの感度は97%(95%CI 95〜98%、580/601例)でした。しかも、RT-PCRにより検出できない病態初期においても画像所見で感染が明らかになるケースもあるとのこと。COVID-19は肺炎を引き起こす可能性が高いことから、感染疑い症例にはRT-PCRじゃなくてCTを行った方が益がありそう。

✅まとめ✅ COVID-19に対する検査はRT-PCRよりも胸部CTスキャンの方が良さそう

✅まとめ✅ CTの感度は97%(95%CI 95〜98%)だった

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