【新薬2019年】慢性腎障害患者におけるエベレンゾ®️の効果はどのくらいですか?(DB-RCT→Open-RCT; 中国29施設; NEJM 2019)

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Roxadustat for Anemia in Patients With Kidney Disease Not Receiving Dialysis

Nan Chen et al.

N Engl J Med. 2019

PMID: 31340089

DOI: 10.1056/NEJMoa1813599

Funded by FibroGen and FibroGen [China] Medical Technology Development

ClinicalTrials.gov number, NCT02652819.

背景

ロキサデュスタット(FG-4592)は、赤血球生成を刺激し、鉄代謝を調節する低酸素誘導因子(HIF)プロリルヒドロキシラーゼの経口阻害剤である。

慢性腎臓病患者を対象とした第2相試験では、ロキサデュスタットは内因性エリスロポエチンのレベルを生理学的範囲内またはその近くまで増加させ、ヘモグロビンレベルの増加と鉄の恒常性の改善をもたらした。

透析を受けていない慢性腎臓病患者の貧血治療に対するロキサデュスタットの有効性と安全性に関する追加データが必要である。

方法

中国の29施設で実施された本フェーズ3の試験では、ロキサデュスタットまたはプラセボを二重盲検法で8週間、週3回受けるように、2:1の比率で慢性腎疾患患者154人をランダムに割り当てた。

すべての患者のヘモグロビン値は、ベースラインで7.0〜10.0 g/dLだった。

試験のランダム化フェーズの後には、18週間の非盲検期間があり、すべての患者がロキサデュスタットを投与された。 非経口鉄は差し控えられた。

主要エンドポイントは、ベースラインからのヘモグロビンレベルの平均変化であり、7〜9週にわたって平均した。

結果

・一次分析期間中、ヘモグロビンレベルのベースラインからの平均(±SD)変化は、ロキサデュスタット群で1.9±1.2 g/dLの増加、プラセボ群で0.4±0.8 g/dLの減少だった(P <0.001)。

・ヘプシジンレベルのベースラインからの平均減少(鉄の利用可能性の増加に関連)は、ロキサデュスタット群で56.14±63.40 ng /mL、プラセボ群で15.10±48.06 ng /mLだった。

・総コレステロール値のベースラインからの減少は、ロキサデュスタット群で40.6 mg/dL、プラセボ群で7.7 mg/dLだった。

・高カリウム血症と代謝性アシドーシスは、プラセボ群よりもロキサデュスタット群でより頻繁に発生した。

・ヘモグロビンの補正および維持におけるロキサデュスタットの有効性は、18週間の非盲検期間中維持された。

結論

透析を受けていない中国の慢性腎臓病(CKD)患者において、ロキサデュスタット群では8週間後にプラセボ群の患者よりも平均ヘモグロビン値が高かった。 試験の18週間の非盲検段階で、ロキサデュスタットは継続的な有効性と関連していた。


【コメント】

アブストのみ。今までは鉄剤か注射による治療のみであった貧血治療領域における新規機序の経口薬剤。低酸素で誘発されるHIFを阻害することで、鉄代謝を増加させます。

さて、本試験結果では、CKD患者におけるエベレンゾ®️使用が、プラセボと比べてヘモグロビンを平均1.9 g/dL増加させた。貧血に対して、かなりの効果が期待できそうです。

一方で気になるのは、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、そして併用注意の多さです。またコレステロール値の低下も気になります。したがって、使用できる患者さんがかなり限られそう。

また個人的には、できれば抗がん剤治療中の貧血患者さんへ使用提案したいところですが、作用機序から悪性腫瘍を増殖させる可能性が高いです。添付文書上は注意事項に悪性腫瘍の記載がありますが、現段階においては、極力使用しない方が良いと思います。

そして国内の適応症は今のところ透析患者のみ。しかも血液透析の場合は包括払となりますので、従来の注射(後発医薬品)での治療が中心になるかと思います。

外来で処方されるとしたら腹膜透析患者が対象ですが、スタチン、プロベネシド、リン吸着薬が併用注意となっていますので、非常に使いづらい。

続報を待ちたいところ。

✅まとめ✅ 慢性腎障害患者においてエベレンゾ®️はHbを平均1.9g/dL増加させる


参考文献

1. Chen N, Hao C, Peng X, et al. Roxadustat for Anemia in Patients with Kidney Disease Not Receiving Dialysis. N Engl J Med. 2019;381(11):1001–1010. doi:10.1056/NEJMoa1813599

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