抗生物質による治療歴は進行性非小細胞肺がん患者における免疫チェックポイント阻害薬の効果に影響しますか?(Cancer chemothera Pharmacol. 2019)

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Predictive impact of antibiotics in patients with advanced non small-cell lung cancer receiving immune checkpoint inhibitors : Antibiotics immune checkpoint inhibitors in advanced NSCLC.

Schett A, et al.

Cancer Chemother Pharmacol. 2019.

PMID: 31745593

【目的】

本研究では、抗生物質の使用がPD(L)1ターゲティングモノクローナル抗体の有効性を低下させるという仮説を検証する。

【方法】

2013年1月から2017年12月の間にPD(L)1をターゲットとするモノクローナル抗体(免疫チェックポイント阻害剤、ICI)を投与された局所的に進行した手術不能または転移性のEGFR野生型およびALK陰性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者を含めた。

主な研究目的は、ICI治療を開始する2ヶ月前に、ICI治療開始時からの全生存(OS-ICI)に対する抗生物質使用の予測的影響を評価することだった。

【結果】

・評価可能な患者218人中33人(15.1%)がICI治療開始前2ヶ月以内に抗生剤による治療を受けた。

・ICIを開始する前の抗生剤使用は、放射線反応率の低下に関連していた。

★放射線反応率:抗生剤使用群18.2 vs. 非使用群28.3%、P = 0.02)。

・PFSは、抗生剤を投与していない患者と比較して、ICI治療開始前2ヶ月以内に抗生剤を投与した患者では有意に短かった。

★PFS中央値:抗生剤使用群1.4 vs. 非使用群5.5ヶ月、HR = 2.22、P <0.01)。

・OS-ICIは、抗生剤を受けていない患者と比較して、ICIの2ヶ月前に抗生剤を受けたNSCLC患者で有意に短かった。

★OS-ICI 中央値:抗生剤使用群1.8 vs. 非使用群15.4ヶ月、HR = 2.61、P <0.01、調整HR = 3.73、P <0.01

【結論】

本研究の結果は、抗生剤がICI治療を受けている進行NSCLC患者に有害な影響を与える可能性があることを示唆しており、潜在的なメカニズムを探求するために、より多くの研究が正当化される。


【コメント】

アブストのみ。

有料のため読めなかったが、全文読みたい内容。

抗生剤使用による免疫チェックポイント阻害薬(ICI)への影響は有名のようですね。お恥ずかしながら知りませんでした。

今回の検討ではNSCLC患者でしたが、ICIは適応拡大しているため、他のがん種へ使用されることも容易に想像できる。

がん種によっては前治療で骨髄抑制が強く現れる治療を実施している可能性が高い。その際に、患者が発熱等の感冒症状を呈した場合にどのようにするのか、抗生剤を使わなくて済むならそれにこしたことはないが、使用せざるおえない状況もあると思う。

続報を待ちたい。

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