オメガ-3系不飽和脂肪酸の摂取は心血管イベントを減らせますか?(RCTのメタ解析; J Am Heart Assoc. 2019)
Marine Omega-3 Supplementation and Cardiovascular Disease: An Updated Meta-Analysis of 13 Randomized Controlled Trials Involving 127 477 Participants.
Hu Y, et al.
J Am Heart Assoc. 2019.
PMID: 31567003
【背景】
海洋オメガ3補給が心血管疾患(cardiovascular disease, CVD)のリスク低下と関連しているかどうかは、議論の余地がある。
【方法】
本メタ分析には、13件の研究レベルのデータが含まれていた。 関心のあるアウトカムには、心筋梗塞、冠状動脈性心臓病(CHD)、死亡、総CHD、総脳卒中、CVD死亡、総CVD、および主要な血管イベントが含まれる。
未調整の比率は、固定効果のメタ分析を使用して計算された。 海洋オメガ3の投与量と事前に指定された各アウトカムのリスクとの用量反応関係を推定するために、メタ回帰が実施された。
【結果】
・5.0年間の平均治療期間中に、3,838の心筋梗塞、3,008のCHD死亡、8,435の合計CHDイベント、2,683の脳卒中、5,017のCVD死亡、15,759の合計CVDイベント、16,478の主要な血管イベントが記録された。
・REDUCE-IT(Icosapent Ethyl-Intervention Trialによる心血管イベントの減少)を除く分析では、海洋オメガ3補給は心筋梗塞リスク(率比[RR] [95%CI]:0.92 [0.86〜0.99]; P =0.020)、CHD死亡リスク(RR [95%CI]:0.92 [0.86〜0.98]; P =0.014)、総CHDリスク(RR [95%CI]:0.95 [0.91リスク0.99]; P =0.008 )、CVD死亡リスク(RR [95%CI]:0.93 [0.88〜0.99]; P =0.013)、および総CVDリスク(RR [95%CI]:0.97 [0.94〜0.99]; P = 0.015)が有意に低かった。
・統計的に有意な不均一性を導入しながら、REDUCE-ITを含めた後、すべての結果の逆相関が強化された。
・REDUCE-ITを含む場合と含まない場合の分析で、CVDの合計と主要な血管イベントについて、統計的に有意な線形の用量反応関係が示された。
【結論】
海洋オメガ3補給は、REDUCE-ITを除外した場合でも、心筋梗塞、CHD死亡、総CHD、CVD死亡、CVDリスクを低下させる。
リスクの減少は、海洋オメガ3の用量に直線的に関連しているように見えた。
【コメント】
海洋オメガ-3系多価不飽和脂肪酸の使用により、心血管イベントや死亡リスクの低下が認められた。
個人的にはREDUCE-ITの結果に引っ張られているのでは?と思っていた。
しかし今日までのREDUCE-ITを除く臨床試験の結果のみでもリスク低減が認められた。
この点は非常に有益ではなかろうか。あとは個々の背景因子が気になるところ。どう個別化していくのかを問われているような気がする。
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