心不全治療における服薬アドヒアランスは予後に影響しますか?(後向きコホート研究; Pharmacotherapy. 2018)

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Association Between Medication Adherence and the Outcomes of Heart Failure.

Hood SR, et al.
Pharmacotherapy. 2018.
PMID: 29600819

【背景】

心不全患者の以前の研究では、心血管系薬剤服薬遵守と入院または入院と死亡の複合的な終点との関連性が示された。
救急部の訪問、入院、および死亡の健康上の転帰を区別し、一般的な大規模医療集団における治療順守の影響を評価した研究はほとんどない。

【目的】

インディアナ州の成人心不全患者における救急部訪問、入院、および死亡に対する心血管薬の服薬遵守向上との関連性を決定すること。

【デザイン】

2004年から2009年の間に州全体の患者ケアのためのインディアナネットワークからの電子健康記録データを使用して行われた後ろ向きコホート研究。

【方法】

患者は18歳以上かつ心不全と診断され、心不全のために少なくとも心血管薬を1つ処方されていた。
服薬遵守は、薬局取引データを使用してカバーされた日数(the proportion of days covered, PDC)として測定された。
臨床的評価項目には、救急部の訪問、入院、入院期間、死亡率が含まれていた。
一般化線形モデルを使用して、年齢、性別、人種、Charlson Comorbidity Index、および投薬について調整した臨床的終点に対する10%のPDC増加の影響を決定した。

【結果】

電子健康記録は55,312人の患者について入手可能であった(平均年齢±標準偏差68±16歳; 54%女性; 65%白人)。
すべての心不全薬の平均PDCは63%±23%だった。
PDCが10%増加するごとに、
・救急部門の受診は11%減少(率比[RR] 0.89, 95%信頼区間[CI] 0.89〜0.89)、
・入院患者は6%減少(RR 0.94, 95%CI 0.94〜0.94)、
・入院期間の合計は1%減少(RR 0.99, 95%CI 0.99〜1.00)、
・総死亡率は9%減少した(オッズ比0.91, 95%CI 0.90〜0.92)。

【結論】

服薬遵守の向上は、救急部の受診、入院、入院期間、および総死亡率の減少と関連していた。


【コメント】

アブストのみ。
過去に報告された研究において、心不全患者の服薬アドヒアランスが10%増加する毎に総死亡率が9%低下していた。

あくまで後向きの観察研究ではあるが、過去の報告と矛盾しない。

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