Association between NSAID use and mortality risk in patients with end-stage renal disease: a population-based cohort study.
Ka Man Lai et al.
Clin Epidemiol. 2019 May 31;11:429-441. doi: 10.2147/CLEP.S204322. eCollection 2019.
PMID: 31213924 PMCID: PMC6549765 DOI: 10.2147/CLEP.S204322
【背景】
疼痛は末期腎臓病患者が経験する最も一般的な症状の1つである。 NSAIDsは有害事象を引き起こす可能性があり、またNSAIDs使用は末期腎臓病患者でかなり高いようである。 しかし、NSAIDs使用がこの母集団の死亡リスクの増加と関連しているかどうかは不明のである。
【目的】
本研究は、末期腎臓病患者におけるNSAIDsの使用と死亡リスクとの関連を調査することを目的とした。
【患者と方法】
NSAIDs使用と透析を受けている末期腎臓病患者の死亡リスクとの関連性を調査するために、台湾国民健康保険研究データベースを使用した。 1998年から2012年の間に長期透析を必要とする末期腎疾患と新たに診断された合計3,383人が現在の研究に含まれ、NSAIDsの使用と死亡リスクとの関連性を調査した。そして研究結果は2013年12月31日まで評価された。
【結果】
本研究コホートでは、追跡期間中に2,623人(78%)の患者がNSAIDsを使用した。
追跡期間中央値は4.0年で、その間1,515人の患者が死亡した。
多変量解析の結果、NSAIDs不使用群と比較して、全てのNSAIDs、非選択的NSAIDs、および選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤COX-2iの使用は総死亡リスクの有意な増加と関連していた。
- 全NSAIDs使用 :調整Hazard Ratio 1.39(95%CI 1.21〜1.60)
- 非選択的NSAIDs:aHR 1.36(1.19〜1.55)
- 選択的COX-2i :aHR 1.61(1.42〜1.83)
【結論】
NSAIDs使用は、末期腎臓病患者の死亡リスク増加と関連していた。 これらの観察所見を検証するために、将来のランダム化比較試験が必要である。
【コメント】
アブストのみ。
透析患者において、COX-2阻害薬を含めてNSAIDs使用により総死亡リスクの有意な増加が示されました。ただし本試験は人口ベースのコホート研究ですので、あくまでもリスク増加の可能性が示されたにすぎません。また、患者背景をみてみると、年齢や併存疾患などに群間差が認められています。調整しきれていない交絡因子が多いと考えられますので、NSAIDs使用自体が死亡リスクに影響したのか、死亡リスクの高い患者がNSAIDsを使用していたのかについて、本試験の結果のみでは分かりません。
続報に期待。
コメント
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