Kimura K et al.
Am J Kidney Dis. 2018 Dec;72(6):798-810.
doi: 10.1053/j.ajkd.2018.06.028. Epub 2018 Sep 1.
Registered at the UMIN (University Hospital Medical Information Network) Clinical Trials Registry with study number UMIN000008343.
PMID: 30177485
Funded by Teijin Pharma Limited.
【理論的根拠および目的】
疫学的および臨床的研究は、尿酸低下療法が慢性腎臓病(CKD)の進行を遅らせることを示唆している。しかし決定的な証拠は欠けている。
【研究デザイン】
ランダム化二重盲検プラセボ対照試験。
【設定と参加者】
日本の55の医療機関で、ステージ3のCKDおよび無症候性の高尿酸血症を有する467人の患者。
【介入】
参加者は、108週間フェブキソスタットまたはプラセボを投与するために1:1の比率でランダムに割り当てられた。
【結果】
主要評価項目は、推定糸球体濾過量(eGFR)の勾配(1年当たりmL / min / 1.73m 2)であった。
副次的評価項目には、追跡期間24、48、72、108週におけるeGFRおよび血清尿酸値の変化、ならびに血清クレアチニン値の倍増または透析療法の開始イベントが含まれていた。
【結果】
・ ランダムに割り当てられた443人の患者のうち、それぞれフェブキソスタットおよびプラセボに割り当てられた219人および222人が分析に含まれた。
・フェブキソスタット群(年間 0.23±5.26mL /分/1.73m2)とプラセボ群(年間約 -0.47±4.48mL /分/1.73m2)との間で平均eGFR勾配に有意差はなかった(差 0.70, 95%CI -0.21〜1.62; P =0.1)
・サブグループ分析では、タンパク尿のない患者(P = 0.005)および血清クレアチニン濃度が中央値(P = 0.009)より低い患者において、フェブキソスタットの有意な利益を示した。
・痛風性関節炎の発生率は、プラセボ群(5.86%)よりもフェブキソスタット群(0.91%)の方が有意に低かった(P = 0.007)。
・フェブキソスタット特有の有害事象は観察されなかった。
【制限事項】
GFRは測定されるのではなく推定され、ステージ4および5のCKDを有する患者は除外された。
【結論】
プラセボと比較して、フェブキソスタットは、ステージ3のCKDおよび無症候性の高尿酸血症を有する患者の間で腎機能の低下を軽減しなかった。
【コメント】
アブストのみ。
フェブリク®️使用による(いわゆる)腎保護作用は認められなかった。サブ解析の結果からすると、腎機能がある程度保たれている状態では、益が大きそう。
あるいはCKDステージ3まで進行すると不可逆なのかもしれないですね。残念な結果だがプラセボ対照な試験であることは有益であると考えられる。
続報を待ちたい。
]]>
コメント