急性脳卒中あるいは一過性脳虚血発作患者における2次予防はブリリンタ®️とバイアスピリン®️どちらが優れていますか?(SOCRATES trial; NEJM2016)

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Ticagrelor versus Aspirin in Acute Stroke or Transient Ischemic Attack. Johnston SC et al. N Engl J Med. 2016 Jul 7;375(1):35-43. doi: 10.1056/NEJMoa1603060. Epub 2016 May 10. PMID: 27160892 ClinicalTrials.gov number: NCT01994720 Funding: AstraZeneca

試験の背景

急性脳虚血患者における再発性脳卒中および心血管イベント予防のために、ブリリンタ®️(チカグレロル)はバイアスピリン®️(アスピリン)よりも有効な抗血小板療法であり得る。 チカグレロルとアスピリンの直接比較を検討したSOCRATES trialをご紹介します。

試験方法

33ヶ国の674施設で国際的二重盲検コントロール試験を実施した。 静脈または動脈内血栓溶解療法を受けておらず、心原性塞栓性脳卒中を有していない非重篤な虚血性脳卒中またはハイリスク一過性虚血性発作患者13,199人を、 症状発現後24時間以内に1:1の比率で無作為に割り付け、チカグレロル(1日目に180mg負荷用量、その後2〜90日目に90mg 1日2回)またはアスピリン(1日目に300mg、2〜90日目に100mg 1日1回)を投与した。 主要エンドポイントは、脳卒中、心筋梗塞、または90日以内の死亡発生までの時間であった。

結果

90日間の治療中に、1次エンドポイント事象は、アスピリンで処置した6,610人の患者のうち497人(7.5%)に対して、チカグレロルで処置した6,589人の患者のうち442人で認められた。  ハザード比 =0.89, 95%信頼間隔[CI] 0.78〜1.01, P = 0.07 虚血性脳卒中は、チカグレロルで治療した385人の患者(5.8%)およびアスピリンで治療した441人の患者(6.7%)で認められた。  ハザード比 =0.87, 95%CI 0.76〜1.00 主要な出血は、チカグレロル投与患者の0.5%、アスピリン投与患者の0.6%、頭蓋内出血がそれぞれ0.2%および0.3%、致死的出血が0.1%および0.1%であった。

結論

急性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作の患者を対象とした本試験では、90日間の脳卒中、心筋梗塞、または死亡率を低下させるのに、チカグレロルはアスピリンより優れている点が見当たらなかった。 

コメント

分1だし低コストなのでアスピリンで良いと感じました。   用法用量 バイアスピリン錠100mg

・狭心症(慢性安定狭心症,不安定狭心症),心筋梗塞,虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA),脳梗塞)における血栓・塞栓形成の抑制,冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制に使用する場合

通常,成人にはアスピリンとして100mgを1日1回経口投与する. なお,症状により1回300mgまで増量できる.

・川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合

急性期有熱期間は,アスピリンとして1日体重1kgあたり30〜50mgを3回に分けて経口投与する.解熱後の回復期から慢性期は,アスピリンとして1日体重1kgあたり3〜5mgを1回経口投与する. なお,症状に応じて適宜増減する.  
ブリリンタ錠60mg

・陳旧性心筋梗塞

 通常、成人には、チカグレロルとして1回60mgを1日2回経口投与する。

ブリリンタ錠90mg

・急性冠症候群(不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞、ST上昇心筋梗塞)

通常、成人には、チカグレロルとして初回用量を180mg、2回目以降の維持用量を90mgとして、1日2回経口投与する。  
2018年時点の薬価 ・バイアスピリン錠 100 mg — 5.6円/錠 ・ブリリンタ錠 60 mg — 100.3円/錠 ・ブリリンタ錠 90 mg — 141.4円/錠      

-Evidence never tells you what to do-




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