Association of Blood Pressure Classification in Korean Young Adults According to the 2017 American College of Cardiology/American Heart Association Guidelines With Subsequent Cardiovascular Disease Events
Joung Sik Son et al.
JAMA. 2018 Nov 6;320(17):1783-1792. doi: 10.1001/jama.2018.16501.
PMID: 30398603
PMCID: PMC6248107
試験の重要性
若年成人において、2017年米国心臓病学会(ACC/AHA)高血圧臨床実践ガイドラインと後年の心血管疾患(CVD)リスクとの関連性は不明である。
目的
40歳以前の血圧カテゴリーと40歳以降のCVDリスクとの関連を明らかにする。
試験デザイン、設定、参加者
韓国国民健康保険サービスのこの集団ベースのコホート研究は、2002年から2005年の間に血圧測定を2回受けた20歳から39歳までの成人2,488,101例から構成されていた。
2006年1月1日から始まり、参加者はCVD診断、死亡の発生、または2015年12月31日まで追跡調査された。
曝露
参加者は血圧測定値によって以下のように分類された。
- 正常 :収縮期 120mmHg未満、拡張期 80mmHg未満
- 高血圧 :収縮期 120〜129mmHg、拡張期 80mmHg未満
- ステージ1の高血圧 :収縮期 130〜139mmHg、拡張期 80〜89mmHg
- ステージ2の高血圧:収縮期 ≥140mmHg、拡張期 ≥90mmHg
主要アウトカムおよび測定法
主要アウトカムは、CVD(CVDによる2日以上の入院またはCVDによる死亡と定義)であった。
副次的転帰は冠動脈性心疾患(CHD)と脳卒中であった。
結果
・試験参加者は2,488,101例(年齢中央値 31歳[四分位間範囲 27~36歳]、女性 789,870例[31.7%])であった。
・追跡期間中央値 10年で合計44,813件のCVDイベントが観察された。
・ベースライン時におけるステージ1の高血圧の男性は、正常血圧群と比較して、CVD、CHD、脳卒中のリスクが高かった。
CVDリスク:ステージ1高血圧の男性 vs. 正常血圧男性
★発症率:10万人年あたり 215 vs. 164
★差:10万人年あたり51、95%CI 48~55
★調整後ハザード比[HR]:1.25、95%CI 1.21~1.28
CHDリスク:ステージ1高血圧の男性 vs. 正常血圧群男性
★発生率:10万人年あたり 134 vs. 103
★差:10万人年あたり31、95%CI 28〜33
★調整済みハザード比[HR]:1.23、95%CI 1.19〜1.27
脳卒中:ステージ1高血圧の男性 vs. 正常血圧群男性
★発生率:10万人年あたり90 vs. 67
★差:10万人年あたり23、95%CI 21〜26
★調整済みハザード比[HR]:1.30、95%CI 1.25〜1.36
・ベースライン次におけるステージ1の高血圧の女性では、血圧が正常な女性と比較して、CVD、CHD、脳卒中のリスクが高かった。
CVDリスク:ステージ1高血圧の女性 vs. 正常血圧女性
★発症率:10万人年あたり131 vs. 91
★差:10万人年あたり40、95%CI 35~45
★調整済みHR:1.27、95%CI 1.21~1.36
CHDリスク:ステージ1高血圧の女性 vs. 正常血圧群女性
★発症率:10万人年あたり56 vs. 42
★差:10万人年あたり14、95%CI 11~18
★調整済みHR:1.16、95%CI 1.08~1.25
脳卒中:ステージ1高血圧の女性 vs. 正常血圧群女性
★発生率、10万人年あたり79 vs. 51
★差:10万人年あたり28、95%CI 24~32
★調整済みHR:1.37、95%CI 1.29~1.46
・ステージ2の高血圧に対する結果は一貫していた。
結論および関連性
韓国の若年成人において、正常血圧と比較して、ステージ1およびステージ2の高血圧は、その後の心血管疾患イベントのリスクの増加と関連していた。2017年ACC/AHA基準で定義された高血圧の若年成人は心血管疾患のリスクが高い可能性がある。
コメント