Relationship Between Fluoroquinolones and the Risk of Aortic Diseases: A Meta-Analysis of Observational Studies
Xiao-Ce Dai et al.
BMC Cardiovasc Disord.2020
PMID: 32013928
DOI: 10.1186/s12872-020-01354-y
Keywords: Aortic aneurysm; Aortic dissection; Fluoroquinolones; Meta-analysis.
Grant support
背景
本研究の目的は、フルオロキノロン使用と大動脈疾患リスクとの関係を明らかにすることだった。
方法
PubMed、EMBASE、およびWeb of Scienceを開始から2019年7月6日まで検索して、フルオロキノロンのユーザーに関連する大動脈疾患リスクを、非ユーザーまたは他の抗生物質ユーザーと比較して評価した観察研究を特定した。
主なアウトカムは、大動脈疾患の最初の発生だった。
GRADEアプローチを使用して、エビデンスの強度を評価した。 オッズ比(OR)および95%CIを推定するために、逆分散法の変量効果モデルを使用し、I2統計によって統計的不均一性を評価した。
結果
・本メタ分析では2,829,385人の患者が登録され、フルオロキノロンと大動脈疾患リスクとの関係が報告された。
・非使用者または他の抗生物質の使用者と比較して、フルオロキノロン使用者は大動脈疾患リスクが大幅に増加した。
★調整済みOR =2.10; 95%CI 1.65-2.68; P = 0.000、I2 =16.4%)。
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・エビデンスの質は中程度であり、大動脈疾患患者に対して有害な必要数(NNH)は1,301と推定された。
結論
患者でのフルオロキノロン使用は、新規発症の大動脈疾患リスクを大幅に増加させる。
フルオロキノロン使用を検討する際、臨床医はこれらの重篤な有害事象に注意を払う必要がある。
コメント
フルオロキノロン(ニューキノロン)使用により大動脈疾患リスクの増加が認められた。過去の報告と矛盾しない。
個人的にNNH =1,301は多くない印象ですが、使用者が多いほど当然、リスク患者が増えるため、やはり慎重にフルオロキノロン使用について考慮する必要があると考えられます。
観察研究のメタ解析であるため、あくまでも仮説生成ですが、リスクについては押さえておきたいところ。
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