Mitsuyoshi Urashima et al. JAMA Pediatr.2019
PMID: 31633778
PMCID: PMC6806425 (available on 2020-10-21)
DOI: 10.1001/jamapediatrics.2019.3544
【研究の重要性】
牛乳フォーミュラ(CMF)は、その実践を裏付ける明確な臨床的証拠がないまま、出産時の母乳育児(BF)を補うために使用されている。
【目的】
出生時のCMFの補給を避けることで、全体および25-ヒドロキシビタミンD(25 [OH] D)レベルで層別化されたサブグループにおいて、牛乳タンパク質および/または牛乳アレルギー(CMA)を含む臨床食物アレルギーに対する感作リスクを減らすことができるかどうかを判断する。
【試験設計、設定、参加者】
母乳育児または牛乳フォーミュラ(ABC)によるアトピー誘発試験は、ランダム化オープン臨床試験だった。
2013年10月1日に登録を開始し、2018年5月31日まで追跡した。日本の大学病院(単施設)で追跡調査を完了した。
参加者にはアトピーのリスクがある330人の新生児が含まれていた。 これらのうち、312が分析に含まれた。 データは2018年9月1日から10月31日まで分析された。
【介入】
介入:生まれた直後に、新生児はランダムに2群へ割り付けられた。
①少なくとも生後3日間、母乳±アミノ酸ベースのフォーミュラ(amino-acid based formula)(BF±EFグループ)
②出生から生後5ヶ月まで、BF+CMF( ≥5mL / d)(BF +CMFグループ)
【主なアウトカムと測定】
主要評価項目は、乳児2歳の誕生日における、牛乳に対する感作(IgEレベル、0.35以上のアレルゲン単位[UA] / mL)だった。
副次的アウトカムは、CMAを含む即時型およびアナフィラキシー型の食物アレルギーであり、経口食物負荷試験により診断されるか、食物摂取により誘発され、食物特異的IgEレベルは少なくとも0.35 UA / mLだった。
サブグループ分析では、生後5ヶ月の血清25(OH)Dレベルの三分位数によって事前に指定された。
【結果】
・分析に含まれた312人の乳児(女児160人[51.3%]と男児152人[48.7%])のうち、BF±EFおよびBF+CMFグループの156人中151人(96.8%)が2歳の誕生日まで追跡調査された 。
・主要アウトカムは、BF±EFグループの乳児24人(16.8%)で発生し、BF+CMFグループの乳児46人(32.2%)よりも有意に少なかった。
★相対リスク[RR] =0.52、95%CI 0.34 〜0.81
—-
・25(OH)Dサブグループの中央の三分位は、低位および高位の三位位ではなく、介入と有意な相互作用がありました(RR =0.19; 95%CI 0.07〜0.50; P = 0.02)。
・2歳の誕生日における食物アレルギーの有病率は、BF±EF群ではBF+CMF群よりも即時タイプで有意に低かった(4 [2.6%] vs. 20 [13.2%]; RR =0.20; 95%CI 0.07〜0.57 )およびアナフィラキシー(1 [0.7%] vs. 13 [8.6%]; RR =0.08; 95%CI 0.01〜0.58)。
【結論と関連性】
CMAやアナフィラキシーを含む牛乳と食物アレルギーに対する感作は、少なくとも生後3日間はCMF補給を避けることにより、主に予防できることを示唆している。
【コメント】
アブストのみ。
個人的には解釈の難しい結果です。減感作の理論に則れば少量かつ慎重なアレルゲン摂取は早い方が良いと考えられますが、本結果によれば少なくとも最後3日間はアレルゲン摂取(今回の場合は牛乳タンパク質中のアレルゲン)を控えた方が良さそう。
日本の単施設での検討結果であるため、外的妥当性は低いですが、面白い研究ですね。続報に期待。
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コメント
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