超加工食品摂取による発がんリスクはどのくらいですか?(フランス人口ベース前向きコホート研究; NutriNet-Santé cohort; BMJ. 2018)
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Consumption of ultra-processed foods and cancer risk: results from NutriNet-Santé prospective cohort.
Randomized controlled trial
Fiolet T, et al. BMJ. 2018.
STUDY REGISTRATION: Clinicaltrials.gov NCT03335644.
【試験の目的】
超加工食品の消費と癌リスクとの関連性を評価すること。
【試験デザイン】
人口ベースのコホート研究。
【試験設定と参加者】
フランスのNutriNet-Santéコホート(2009 – 17年)を利用して、18歳以上(年齢中央値42.8歳)の104,980人を試験に組み入れた。
食事摂取量は、3,300種類の食品に対する通常の消費量について24時間の繰り返しの食事記録を使用し収集した。これらの食品は、NOVA分類による処理の程度に従って分類された。
【主要アウトカムと測定】
超加工食品の摂取量と、全体的なリスク、乳がん、前立腺がん、および大腸がんのリスクとの関連性を、既知の危険因子について調整された多変量Cox比例ハザードモデルによって評価した。
【結果】
超加工食品の摂取量は、全体的ながんリスクの上昇と関連していた(n =2,228)。
超加工食品の割合が10%増加したときの危険率=1.12(95%信頼区間1.06〜1.18);傾向のP <0.001。
また乳がんリスクの上昇とも関連していた(n =739)。
ハザード比 =1.11(1.02〜1.22);傾向のP =0.02
これらの結果は、食事の栄養価のいくつかのマーカー(脂質、ナトリウム、炭水化物の摂取量、および/または主成分分析によって導き出された西洋のパターン)を調整した後も統計的に有意なままだった。
【結論】
本大規模前向き研究では、食事中の超加工食品の割合が10%増加すると、がんリスク全体および乳がんリスクが10%超、有意に増加した。
これらの関連付けにおける加工の様々な寸法(栄養組成、食品添加物、接触材料、および新形成された汚染物質)の相対的な影響をよりよく理解するためには、さらなる研究が必要である。
NOVA分類による超加工食品の例:
炭酸飲料、甘くておいしいパッケージスナック、アイスクリーム、チョコレート、キャンディー(菓子類)、大量生産された包装パンおよびパン、マーガリンとスプレッド、工業用クッキー(ビスケット)、ペストリー、ケーキ、ケーキミックス、朝食の「シリアル」、「シリアル」、「エネルギー」バー、エネルギー・ドリンク、フレーバーミルクドリンク、ココア飲料、砂糖、人工香料、テクスチャー加工剤を加えた果物から作られた甘いデザート、既製野菜と野菜の煮物、肉と鶏肉のエキスと「インスタント」ソース、粉末状または強化された食事や料理の代用品などの「健康」および「痩身」の製品、調理済みのパイ、パスタ、ピザの料理を含む製品を加熱する準備ができている製品、家禽や魚の「ナゲット」や「スティック」、ソーセージ、ハンバーガー、ホットドッグ、その他の再構成肉製品、そして粉末にして包装した「インスタント」スープ、ヌードル、デザート。
(そもそも日常生活で少なからず摂取しているものばかりですね
)
つまり超加工食品の摂取量が1%増加するとリスクも1%程度の増加。これを多いととるか少ないととるかは患者さん毎に違うと思う。]]>
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