SRウイルスと肺炎球菌との関連性は?
下気道感染症は、一般的に呼吸器合胞体ウイルス(RSV)または肺炎球菌(肺炎球菌)によって引き起こされ、特に5歳未満の小児において、世界的に大きな健康上の負担となっています。
したがってRSVと肺炎球菌の関係をより深く理解することは、疾患の予防と管理に対する医療アプローチの開発に役立つと考えられます。
そこで今回は、小児呼吸器感染症の病因におけるRSVと肺炎球菌の関係に関するエビデンスを同定し、評価するために行われた系統的レビューの結果をご紹介します。
試験結果から明らかになったことは?
病原体と病原体の直接的な相互作用、および宿主の調節が関与する間接的な相互作用に関する機序的証拠を見出されました。このことは、COVID-19パンデミックの際に、RSVと肺炎球菌に関連した疾病が並行して減少し、その後復活したことによって最近確認されました。
重要なことは、肺炎球菌ワクチン接種が乳幼児におけるRSV入院の減少と関連していることであり、重篤な疾患の調節における両者の相互作用の関連性をさらに裏付けています。
全体的な証拠は、小児呼吸器感染症の病因における肺炎球菌とRSVの広範な生物学的および臨床的相互作用を支持しています。
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5歳未満の小児の下気道感染症において、RSウイルスおよび肺炎球菌の関与が示唆されています。しかし、どのように関連しているのかについてはデータが不足しています。
さて、系統的レビューの結果、次世代肺炎球菌ワクチンとRSVワクチン、およびRSVを標的とするモノクローナル抗体の導入は、小児呼吸器感染症に関連する世界的な罹患率と死亡率を減少させるために相乗的に作用するという仮説が立てられました。
肺炎球菌ワクチン接種がRSV入院の減少と関連していたのは大変興味深いところです。どのように作用しているのか、今後の検証結果が待たれるところです。とはいえ、ワクチン接種が有用である可能性が高いことは明らかです。どのような患者において、よりワクチンの効果が得られるのか、更なる検証が求められます。
続報に期待。
✅まとめ✅ 系統的レビューの結果、次世代肺炎球菌ワクチンとRSVワクチン、およびRSVを標的とするモノクローナル抗体の導入は、小児呼吸器感染症に関連する世界的な罹患率と死亡率を減少させるために相乗的に作用するという仮説が立てられた。
根拠となった試験の抄録
背景:下気道感染症は、一般的に呼吸器合胞体ウイルス(RSV)または肺炎球菌(肺炎球菌)によって引き起こされ、特に5歳未満の小児において、世界的に大きな健康上の負担となっている。RSVと肺炎球菌の関係をより深く理解することは、疾患の予防と管理に対する医療アプローチの開発に役立つであろう。
方法:小児呼吸器感染症の病因におけるRSVと肺炎球菌の関係に関するエビデンスを同定し、評価するために系統的レビューを行った。
結果:病原体と病原体の直接的な相互作用、および宿主の調節が関与する間接的な相互作用に関する機序的証拠を見出した。このことは、COVID-19パンデミックの際に、RSVと肺炎球菌に関連した疾病が並行して減少し、その後復活したことによって最近確認された。重要なことは、肺炎球菌ワクチン接種が乳幼児におけるRSV入院の減少と関連していることであり、重篤な疾患の調節における両者の相互作用の関連性をさらに裏付けている。全体的な証拠は、小児呼吸器感染症の病因における肺炎球菌とRSVの広範な生物学的および臨床的相互作用を支持している。
結論:次世代肺炎球菌ワクチンとRSVワクチン、およびRSVを標的とするモノクローナル抗体の導入は、小児呼吸器感染症に関連する世界的な罹患率と死亡率を減少させるために相乗的に作用するという仮説を立てた。
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Interactions between respiratory syncytial virus and Streptococcus pneumoniae in the pathogenesis of childhood respiratory infections: a systematic review
Sjanna B Besteman et al. PMID: 38991585 DOI: 10.1016/S2213-2600(24)00148-6
Lancet Respir Med. 2024 Jul 8:S2213-2600(24)00148-6. doi: 10.1016/S2213-2600(24)00148-6. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38991585/
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