妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児転帰への影響はどのくらい?(コホート研究; JAMA. 2024)

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mRNAベースのワクチン接種後の新生児有害事象の発生リスクはどのくらい?

妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象に関する知識を深めることは、ワクチンの安全性に関する懸念に対処するのに役立つ可能性があります。しかし、倫理的側面からランダム化比較試験の実施は困難です。

そこで今回は、妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象のリスクを評価することを目的に実施されたコホート研究の結果をご紹介します。

この研究は、2021年6月から2023年1月までにスウェーデンとノルウェーで出生したすべての乳児を含む人口ベースのコホート研究でした。異なる国の登録から個人情報をリンクさせるために固有の個人識別番号が使用されました。

曝露は、COVID-19に対するmRNAワクチンの妊娠中の投与でした。過去の接種歴、妊娠中の接種回数、ワクチン製造元は問われませんでした。

本研究のアウトカムは、出血/血栓症または炎症/感染を伴う新生児の状態、中枢神経系の障害、循環器、呼吸器、または消化管の障害、および新生児死亡率でした。統計方法は、妊娠した人の特徴で調整したロジスティック回帰、さらに限定分析、層別分析などでした。

試験結果から明らかになったことは?

対象新生児196,470人(男性51.3%、正期産93.8%、スウェーデン出生62.5%)のうち、94,303人(48.0%)が妊娠中にCOVID-19ワクチン接種を受けました。

アウトカム曝露された乳児非曝露調整オッズ比 aOR(95%CI)
新生児非外傷性頭蓋内出血の発生1.7/1,0003.2/1,000aOR 0.78(0.61〜0.99
低酸素性虚血性脳症の発生1.8/1,0002.7/1,000aOR 0.73(0.55〜0.96
新生児死亡の発生0.9/1,0001.8/1,000aOR 0.68(0.50〜0.91

曝露された乳児は、新生児有害転帰のオッズ増加を示さず、新生児非外傷性頭蓋内出血(イベント発生率 1.7/1,000 vs. 3.2/1,000;調整オッズ比[aOR] 0.78、95%CI 0.61〜0.99)、低酸素性虚血性脳症(1.8/1,000 vs. 2.7/1,000;aOR 0.73、95%CI 0.55〜0.96)、新生児死亡(0.9/1,000 vs. 1.8/1,000;aOR 0.68、95%CI 0.50〜0.91)のオッズを低下させました。

サブグループ解析でも、妊娠中のワクチン接種と新生児死亡率の低下との間に同様の関連が認められました。サブグループは、妊娠前にワクチン未接種の人が出産した乳児、妊娠前にワクチン接種を受けた人、妊娠中のワクチン接種が一般的に推奨された後にワクチン接種を受けた人、妊娠中にCOVID-19に感染しなかった人に限定されました。

正期産児、単胎児、先天異常のない乳児に限定した解析でも同様の結果が得られました。ワクチンメーカー別に解析を層別化しても、ワクチン接種と新生児死亡率の低さとの関連は減弱しませんでした。

コメント

ワクチン接種による有害事象の評価は、ワクチンの安全性に関する懸念に対処するために求められています。また、より長期的な安全性評価は、ワクチン接種を継続するためにも重要な評価です。

さて、スウェーデンとノルウェーで出生したすべての乳児を含む人口ベースのコホート研究の結果、mRNA COVID-19ワクチンの妊娠者への接種は、その乳児における新生児有害事象のリスク増加とは関連していませんでした。

特に、ワクチン接種によって新生児非外傷性頭蓋内出血、低酸素性虚血性脳症、新生児死亡のリスクは低減しています。リスクはオッズ比で算出されているため、実臨床における恩恵の大きさを評価するには更なる検証が求められます。

とはいえ、少なくとも接種することの妥当性を否定するデータはありません。基本的な感染予防対策の一つとして、ワクチンの定期的な接種が求められます。

続報に期待。

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✅まとめ✅ 大規模集団ベースの研究において、mRNA COVID-19ワクチンの妊娠者への接種は、その乳児における新生児有害事象のリスク増加とは関連していなかった。

試験結果から明らかになったことは?

試験の重要性:妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象に関する知識を深めることは、ワクチンの安全性に関する懸念に対処するのに役立つ可能性がある。

目的:妊娠中のCOVID-19ワクチン接種後の新生児有害事象のリスクを評価すること。

試験デザイン、設定、参加者:2021年6月から2023年1月までにスウェーデンとノルウェーで出生したすべての乳児を含む人口ベースのコホート研究。異なる国の登録から個人情報をリンクさせるために固有の個人識別番号を使用した。

曝露:COVID-19に対するmRNAワクチンの妊娠中の投与。過去の接種歴、妊娠中の接種回数、ワクチン製造元は問わない。

主要転帰と評価基準:アウトカムは、出血/血栓症または炎症/感染を伴う新生児の状態、中枢神経系の障害、循環器、呼吸器、または消化管の障害、および新生児死亡率とした。統計方法は、妊娠した人の特徴で調整したロジスティック回帰、さらに限定分析、層別分析などであった。

結果:対象新生児196,470人(男性51.3%、正期産93.8%、スウェーデン出生62.5%)のうち、94,303人(48.0%)が妊娠中にCOVID-19ワクチン接種を受けた。曝露された乳児は、新生児有害転帰のオッズ増加を示さず、新生児非外傷性頭蓋内出血(イベント発生率 1.7/1,000 vs. 3.2/1,000;調整オッズ比[aOR] 0.78、95%CI 0.61〜0.99)、低酸素性虚血性脳症(1.8/1,000 vs. 2.7/1,000;aOR 0.73、95%CI 0.55〜0.96)、新生児死亡(0.9/1,000 vs. 1.8/1,000;aOR 0.68、95%CI 0.50〜0.91)のオッズを低下させた。サブグループ解析でも、妊娠中のワクチン接種と新生児死亡率の低下との間に同様の関連が認められた。サブグループは、妊娠前にワクチン未接種の人が出産した乳児、妊娠前にワクチン接種を受けた人、妊娠中のワクチン接種が一般的に推奨された後にワクチン接種を受けた人、妊娠中にCOVID-19に感染しなかった人に限定した。正期産児、単胎児、先天異常のない乳児に限定した解析でも同様の結果が得られた。ワクチンメーカー別に解析を層別化しても、ワクチン接種と新生児死亡率の低さとの関連は減弱しなかった。

結論と関連性:この大規模集団ベースの研究において、mRNA COVID-19ワクチンの妊娠者への接種は、その乳児における新生児有害事象のリスク増加とは関連していなかった。

引用文献

Neonatal Outcomes After COVID-19 Vaccination in Pregnancy
Mikael Norman et al. PMID: 38319332 PMCID: PMC10848052 (available on 2024-08-06) DOI: 10.1001/jama.2023.26945
JAMA. 2024 Feb 6;331(5):396-407. doi: 10.1001/jama.2023.26945.
— 読み進める pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38319332/

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