BNT162b2 BA.4/5 COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチン同時接種は有効ですか?(後向き研究; JAMA Netw Open. 2023)

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新型コロナウイルス感染症ワクチンと季節性インフルエンザワクチンは同時接種できるのか?

地域社会におけるCOVID-19ワクチンと季節性インフルエンザワクチン(SIV)は同時期に流行がみられることから、同時接種が可能となれば国民の利便性向上につながります。しかし、これらワクチンの同時接種の推定効果を比較したデータは存在しません。

そこで今回は、BNT162b2 BA.4/5二価mRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2-biv [Pfizer BioNTech])とSIVの併用接種と、各ワクチンの単独接種との有効性の比較を検討した研究結果をご紹介します。

本研究では、レトロスペクティブな有効性比較試験により、民間医療保険またはメディケア・アドバンテージ・プランに加入し、2022年8月31日から2023年1月30日の間にBNT162b2-bivのみ、SIVのみ、または両方を同日接種した18歳以上の米国成人が評価されました。一価または他銘柄のmRNA二価COVID-19ワクチン接種者は除外されました。

曝露はBNT162b2-bivとSIVの同日同時接種であり、BNT162b2-bivのみの接種(COVID-19関連アウトカムについて)またはSIVのみの接種(インフルエンザ関連アウトカムについて)が比較群とされました。65歳以上の成人については、強化型SIVのみが対象となりました。

本試験の主要転帰は、COVID-19関連およびインフルエンザ関連の入院、救急部(ED)または緊急治療部(UC)の受診、および外来受診でした。

試験結果から明らかになったことは?

全体で3,442,996例(女性 57.0%、平均年齢 65[SD 16.7]歳)が組み入れられ増した。合計627,735例がBNT162b2-bivとSIVワクチンの同時接種を受け、369,423例がBNT162b2-biv単独接種を受け、2,445,838例がSIV単独接種を受けました。

調整ハザード比 AHR
(95%信頼区間)
COVID-19関連入院の発生率AHR 1.04
0.87〜1.24

65歳以上の高齢者(n=2,210,493;平均年齢 75[SD 6.7]歳;女性 57.9%)において、同時接種群はCOVID-19関連入院の発生率が同程度でした(調整ハザード比[AHR] 1.04、95%信頼区間 0.87〜1.24)。

調整ハザード比 AHR
(95%信頼区間)
vs. BNT162b2-biv単独接種群
救急部または急患受診AHR 1.12
1.02〜1.23
外来受診AHR 1.06
1.01〜1.11

BNT162b2-biv単独接種群と比較して、救急部または急患受診(AHR 1.12、95%信頼区間 1.02〜1.23)および外来受診(AHR 1.06、95%信頼区間 1.01〜1.11)の発生率がわずかに高いことが示されました。

AHR点推定範囲
COVID-19関連転帰の発生率1.14~1.57

18~64歳(n=1,232,503;平均年齢 47[SD 13.1]歳;女性 55.4%)では、COVID-19関連転帰の発生率は、両方のワクチンを接種した群では、BNT162b2-biv単独接種群と比較してわずかに高いことが示されました(AHR点推定範囲 1.14~1.57)。しかし、この年齢群では全体的に事象が少なかったため、CIが広くなったと考えられます。

全体として、SIV単独接種群と比較して、併用接種群ではほとんどのインフルエンザ関連エンドポイントの発生率がわずかに低いことが示されました(AHR点推定値は、65歳以上で0.83~0.93、18~64歳で0.76~1.08)。

陰性コントロールの結果はバイアスの残存を示唆し、陰性コントロールによるCOVID-19関連およびインフルエンザ関連の結果の較正はすべての推定値をヌルに近づけ、ほとんどのCIは1.00を超えました。

コメント

COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種に関する有効性・安全性のデータは限られています。

さて、本試験結果によれば、BA.4/5二価mRNA COVID-19ワクチンと季節性インフルエンザワクチンの同時接種は、COVID-19関連および季節性インフルエンザ関連の転帰に対して、それぞれのワクチンを単独で接種した場合と比較して、地域環境において概ね同様の有効性と関連しており、両ワクチンの接種率向上に役立つ可能性が示されました。

救急部または急患受診や外来受診、COVID-19関連転帰の発生率について、単独接種と比較して、発生率がやや高い結果が得られていますが、交絡因子が残存していることから、本研究結果をもって同時接種が有効ではないと結論づけられません。利便性の方が勝ると考えられます。

結果をどのように捉えるのか、によりますが個人的には各ワクチンの単独接種とほぼ同様の結果が得られたものと考えられます。一方、副反応については検証されていないことから更なる検証が求められます。

続報に期待。

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✅まとめ✅ 本研究では、BA.4/5二価mRNA COVID-19ワクチンと季節性インフルエンザワクチンの同時接種は、COVID-19関連および季節性インフルエンザ関連の転帰に対して、それぞれのワクチンを単独で接種した場合と比較して、地域環境において概ね同様の有効性と関連しており、両ワクチンの接種率向上に役立つ可能性がある。

根拠となった試験の抄録

試験の重要性:地域社会におけるCOVID-19ワクチンと季節性インフルエンザワクチン(SIV)の同時接種の推定効果を比較したデータは存在しない。

目的:BNT162b2 BA.4/5二価mRNA COVID-19ワクチン(BNT162b2-biv [Pfizer BioNTech])とSIVの併用接種と、各ワクチンの単独接種との有効性の比較を検討すること。

試験デザイン、設定、参加者:レトロスペクティブな有効性比較試験により、民間医療保険またはメディケア・アドバンテージ・プランに加入し、2022年8月31日から2023年1月30日の間にBNT162b2-bivのみ、SIVのみ、または両方を同日接種した18歳以上の米国成人を評価した。一価または他銘柄のmRNA二価COVID-19ワクチン接種者は除外した。

曝露:BNT162b2-bivとSIVの同日同時接種。BNT162b2-bivのみの接種(COVID-19関連アウトカムについて)またはSIVのみの接種(インフルエンザ関連アウトカムについて)を比較群とした。65歳以上の成人については、強化型SIVのみを対象とした。

主要転帰と評価基準:COVID-19関連およびインフルエンザ関連の入院、救急部(ED)または緊急治療部(UC)の受診、および外来受診

結果:全体で3,442,996例(女性 57.0%、平均年齢 65[SD 16.7]歳)が組み入れられた。合計627,735例がBNT162b2-bivとSIVワクチンの同時接種を受け、369,423例がBNT162b2-biv単独接種を受け、2,445,838例がSIV単独接種を受けた。65歳以上の高齢者(n=2,210,493;平均年齢 75[SD 6.7]歳;女性 57.9%)において、同時接種群はCOVID-19関連入院の発生率が同程度であった(調整ハザード比[AHR] 1.04、95%信頼区間 0.87〜1.24)。BNT162b2-biv単独投与群と比較して、救急部または急患受診(AHR 1.12、95%信頼区間 1.02〜1.23)および外来受診(AHR 1.06、95%信頼区間 1.01〜1.11)の発生率がわずかに高かった。18~64歳(n=1,232,503;平均年齢 47[SD 13.1]歳;女性 55.4%)では、COVID-19関連転帰の発生率は、両方のワクチンを接種した群では、BNT162b2-biv単独接種群と比較してわずかに高かった(AHR点推定範囲 1.14~1.57)。しかしながら、この年齢群では全体的に事象が少なかったため、CIは広くなった。全体として、SIV単独接種群と比較して、併用接種群ではほとんどのインフルエンザ関連エンドポイントの発生率がわずかに低かった(AHR点推定値は、65歳以上で0.83~0.93、18~64歳で0.76~1.08)。陰性コントロールの結果はバイアスの残存を示唆し、陰性コントロールによるCOVID-19関連およびインフルエンザ関連の結果の較正はすべての推定値をヌルに近づけ、ほとんどのCIは1.00を超えた。

結論と関連性:本研究では、BNT162b2-bivとSIVの同時接種は、COVID-19関連およびSIV関連の転帰に対して、それぞれのワクチンを単独で接種した場合と比較して、地域環境において概ね同様の有効性と関連しており、両ワクチンの接種率向上に役立つ可能性がある。

引用文献

Estimated Effectiveness of Coadministration of the BNT162b2 BA.4/5 COVID-19 Vaccine With Influenza Vaccine
Leah J McGrath et al. PMID: 37938846 PMCID: PMC10632958 DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2023.42151
JAMA Netw Open. 2023 Nov 1;6(11):e2342151. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2023.42151.
— 読み進める jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2811527

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