根拠となった試験の抄録
目的:3つの一次予防ランダム化比較試験の個人参加者メタ解析において、異なる年齢層における固定用量配合薬(ポリピル)の心血管アウトカムに対する効果を評価する。
方法:中等度リスク(10年平均フラミンガム心血管系リスクスコア 17.7%)の参加者を、2種類以上の降圧薬とスタチンからなるポリピルとアスピリン併用または非併用、あるいはそれぞれの対象群にランダムに割り付け、5年間フォローアップした。年齢層は60歳未満、60~65歳、65歳以上とした。
主要アウトカムは、心血管死、心筋梗塞、脳卒中、血行再建術であった。
Cox比例HRと95%CIは、各年齢群において計算された。
結果:主要転帰のリスクは、18,162例の総集団において37%(ポリピル 3.3% vs. 対照 5.2%:HR 0.63、95%CI 0.54~0.74) 減少し、高齢群(60~65歳:HR 0.58、95%CI 0.42~0.78、65歳以上:HR 0.57、95%CI 0.47~0.70) でより大きな効果があり、1件の主要転帰を避けるための必要治療人数も同様だった(それぞれ53、33)。主要転帰のリスクは、アスピリンを含むポリピル投与群(n=8,951)では54%と54%、アスピリンを含まない投与群(n=12,061)では34%と38%、それぞれ最も高齢の2群で減少した。ポリピルの副作用で最も頻度の高いめまいは、65歳未満の参加者でより高かった。アスピリンは、重大な出血リスクの過剰とは関連していなかった。
結論:中等度の心血管リスクを有する参加者において、ポリピル療法は高齢者においてより大きな心血管ベネフィットをもたらし、それはアスピリンでより大きく見える。
試験登録番号:HOPE-3、NCT00468923、TIPS-3、NCT016464137、PolyIran、NCT01271985。
キーワード 高脂血症、高血圧症。
引用文献
Fixed dose combination therapies in primary cardiovascular disease prevention in different groups: an individual participant meta-analysis
Gilles R Dagenais et al. PMID: 37258095 DOI: 10.1136/heartjnl-2022-322278
Heart. 2023 May 31;heartjnl-2022-322278. doi: 10.1136/heartjnl-2022-322278. Online ahead of print.
HOPE-3, NCT00468923; TIPS-3, NCT016464137; PolyIran, NCT01271985.
— 読み進める pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37258095/
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