根拠となった試験の抄録
目的:本研究では、日本におけるアロプリノールと比較した場合のフェブキソスタットおよびトピロキソスタットのリスクに主眼を置き、尿酸降下薬と心血管イベントとの関連を検討することを目的とした。
方法:2010年8月1日から2018年3月31日までの新規尿酸降下薬使用者を対象に、日本の全国健康保険請求・特定健診データベースを用いてコホートデザインによる観察研究を実施した。曝露群と対照群は、尿低下薬の初回処方に基づき、曝露群はフェブキソスタットまたはトピロキソスタット、対照群はアロプリノール、二次対照群はベンズブロマロンと定義された。
主要アウトカムは、急性冠症候群、脳梗塞、脳出血の複合と定義される心血管イベントであった。ハザード比は、Cox比例ハザードモデルを用いて推定した。
結果:各暴露群および対照群の患者数は、フェブキソスタット群 1,357,671例、トピロキソスタット群 83,683例、アロプリノール群 1,273,211例、ベンズブロマロン群 258,786例である。心血管リスクの調整済みハザード比は、フェブキソスタット群が0.97(95%信頼区間[CI] 0.95〜0.98)、トピロキソスタット群が0.84(95%CI 0.78〜0.90)でした。ベンズブロマロン群も同様の結果を示した。日本における高尿酸血症患者において、アロプリノールと比較した場合、フェブキソスタットまたはトピロキソスタットで心血管リスクの増加は認められなかった。
結論:これらの結果は、尿酸降下薬に関連する心血管リスクに関する実世界のエビデンスを提供し、日本における安全性に関する追加の規制措置は必要ないことを示している。
引用文献
Cardiovascular risk of urate-lowering drugs: A study using the National Database of Health Insurance Claims and Specific Health Checkups of Japan
Sono Sawada et al. PMID: 36317407 PMCID: PMC9926079 DOI: 10.1111/cts.13439
Clin Transl Sci. 2023 Feb;16(2):206-215. doi: 10.1111/cts.13439. Epub 2022 Nov 11.
— 続きを読む pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36317407/
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