眼科処置後の急性心筋梗塞リスクはどのくらい?(症例クロスオーバー試験; Ann Intern Med. 2022)

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眼科手術による急性心筋梗塞リスクはどのくらいか?

外来患者において眼科手術の前に、術前心臓血管評価を行うことが一般的です。しかし、これらの処置が急性心筋梗塞(AMI)を誘発するかどうかは不明です。

そこで今回は、眼科手術に伴う短期的なAMIのリスクを評価したノルウェーおよびスウェーデンの人口に基づく全国規模の症例クロスオーバー試験の結果をご紹介します。

ノルウェー(2008~2014年)およびスウェーデン(2001~2014年)において、それぞれ入院患者登録を介して同定され、外来外科手術にリンクされた40歳以上の初回AMI患者が抽出されました。自己マッチングを用い、各参加者について、AMI診断前の0~7日間(ハザード期間)の眼科処置への曝露を、30日前の8日間、すなわちAMI前の29~36日間(コントロール期間)と比較し、眼科処置後の週のAMIの相対リスク推定されました。ハザード期間またはコントロール期間のいずれかに目的の処置を受けた患者のみが対象とされました。

試験結果から明らかになったことは?

この研究に含まれるAMI患者806例について、眼科処置後の1週間のAMIの可能性はコントロール期間よりも低いことが示されました(OR 0.83、95%CI 0.75〜0.91)。

さらに、手術のサブタイプ、麻酔(局所麻酔または全身麻酔)、期間、侵襲性(低、中、高)、患者の年齢(65歳未満または65歳以上)、または併存疾患(なし vs. あり)によって層別化した分析でも、AMIのリスク上昇を示すエビデンスはありませんでした。

コメント

眼科手術の前に、術前心臓血管評価を行うことが一般的ですが、眼科手術に伴う急性心筋梗塞(AMI)リスクについては検証されていませんでした。

さて、本試験結果によれば、AMI患者806例について、眼科処置後の1週間のAMIの可能性はコントロール期間よりも低いことが示されました。コントロール期間と比較してリスク低下が認められた原因として、特定できていない交絡因子の可能性がありますが、術後管理やモニタリングによりリスク低減が示された可能性があります。

いずれにせよ、外来患者に対する眼科手術は急性心筋梗塞リスクにならないようです。

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✅まとめ✅ 外来で行われた眼科手術は急性心筋梗塞のリスク上昇と関連していないようであった。

根拠となった試験の抄録

背景:眼科外来手術の前に、術前心臓血管評価を行うことが多い。しかし、これらの処置が急性心筋梗塞(AMI)を誘発するかどうかは不明である。

目的:眼科手術に伴う短期的なAMIのリスクを評価すること。

試験デザイン:ケースクロスオーバーデザイン。

試験設定:ノルウェーおよびスウェーデンの人口に基づく全国規模の研究

試験参加者:ノルウェー(2008~2014年)およびスウェーデン(2001~2014年)において、それぞれ入院患者登録を介して同定され、外来外科手術にリンクされた40歳以上の初回AMI患者。

測定方法:自己マッチングを用い、各参加者について、AMI診断前の0~7日間(ハザード期間)の眼科処置への曝露を、30日前の8日間、すなわちAMI前の29~36日間(対照期間)と比較し、眼科処置後の週のAMIの相対リスクを推定した。条件付きロジスティック回帰を用いて、オッズ比(OR)および95%CIを算出した。ハザード期間またはコントロール期間のいずれかに目的の処置を受けた患者のみを対象とした。

結果:この研究に含まれるAMI患者806例について、眼科処置後の1週間のAMIの可能性は対照週よりも低かった(OR 0.83、95%CI 0.75〜0.91)。さらに、手術のサブタイプ、麻酔(局所麻酔または全身麻酔)、期間、侵襲性(低、中、高)、患者の年齢(65歳未満または65歳以上)、または併存疾患(なし vs. あり)によって層別化した分析でも、AMIのリスク上昇を示す証拠はなかった。

試験の限界:ハザード期間とコントロール期間の交絡因子の時間変化によるバイアスの可能性。

結論:外来で行われた眼科手術はAMIのリスク上昇と関連していないようであった。

主要資金源:中央ノルウェー地域保健局およびスウェーデン研究評議会

引用文献

Risk for Acute Myocardial Infarction After Ophthalmologic Procedures
Abhijit Sen et al. PMID: 35313112 DOI: 10.7326/M20-6618
Ann Intern Med. 2022 Mar 22. doi: 10.7326/M20-6618. Online ahead of print.
ー 続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35313112/

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