ワルファリン治療中の心房細動患者における脳卒中と血栓塞栓症リスクの推定スコアはどれが良さそうですか?(Thromb Haemost. 2020)

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CHA2DS2-VAScおよびGARFIELD-AFリスクスコアの比較?

心房細動患者において問題となるのは、脳卒中や血栓塞栓症の発生リスクが高いことです。

CHA2DS2-VAScスコアは大部分が検証されており、ほとんどのガイドラインで推奨されています。一方、スコア評価がより複雑なGARFIELD-AF Strokeスコアは、CHA2DS2-VAScスコアの代替リスクスコアとして提案されています。しかし、どちらのスコアの方がより実臨床において有益であるかは不明です。

そこで今回は、これら2つのスコアを比較検討した研究をご紹介します。

試験結果から明らかになったことは?

患者 3,665例(年齢 72[66〜77]歳、女性 30.5%)を含むコホート研究2件の結果によれば、CHA2DS2-VAScスコアとARFIELD-AF Strokeスコアで血栓塞栓症イベント予測能力に差はなく、どちらも中程度の予測能力でした。

また識別分析では、GARFIELD-AFの4分位は識別能力が48.7%低下することが示されました。

さらに決定曲線分析では、CHA2DS2-VAScはGARFIELD-AFと比較して、臨床的有用性と正味の臨床的利益の向上と関連していました。

現時点においては、ワルファリン治療中の心房細動患者において、GARFIELD-AF Strokeスコアよりも、CHA2DS2-VAScスコアの方が、臨床的有用性と正味の臨床的利益の向上が得られそうです。ただし、今回対象となった試験は2件、患者数は4,000例弱であることから一般化は困難であると考えます。

続報に期待。

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✅まとめ✅ ワルファリン治療を受けた心房細動患者の試験コホートでは、CHA2DS2-VAScスコアは、GARFIELD-AFスコアに比べて識別能力が向上し、臨床的有用性と純臨床的利益が優れていた

根拠となった論文の抄録

背景:抗凝固療法を受けている心房細動(AF)患者において、血栓塞栓症リスクの評価は不可欠である。CHA2DS2-VAScスコアは大部分が検証されており、ほとんどのガイドラインで推奨されている。GARFIELD-AF Strokeスコアは代替のリスクスコアとして提案されている。

方法:SPORTIF IIIおよびV試験のワルファリン投与患者を対象とした。すべての血栓塞栓症イベントが試験アウトカムとして判定された。2つのスコアの血栓塞栓症発生予測能力を比較した。

結果:患者 3,665例(年齢中央値[四分位範囲] 72[66〜77]歳、女性 30.5%)が本解析に含まれた。
平均 566.3(SD 142.5)日のフォローアップの後、148/3,665例(4.03%)の血栓塞栓症イベントが記録された。

連続的なCHA2DS2-VAScとGARFIELD-AFは、いずれも血栓塞栓症イベントと関連し(ハザード比[HR] 1.37、95%信頼区間[CI] 1.22〜1.53;HR 2.43、95%CI 1.72〜3.42)、予測能力は中程度であった(c-index 0.63、95%CI 0.59〜0.68;0.61、95%CI 0.56〜0.66)が、差はなかった。

CHA2DS2-VAScの4分位群では累積リスクの増加が認められたが、GARFIELD-AFでは最高の4分位群(Q4)のみが血栓塞栓症イベントのリスク増加を示した。

多変量Cox回帰分析では、CHA2DS2-VAScの4分位が血栓塞栓症イベントのリスク上昇と関連していたが、GARFIELD-AFではQ4のみが血栓塞栓症イベントとの関連を示した。

識別分析では、GARFIELD-AFの4分位は識別能力が48.7%低下することが示された。

決定曲線分析では、CHA2DS2-VAScはGARFIELD-AFと比較して、臨床的有用性と正味の臨床的利益の向上と関連していた。

結論:ワルファリン治療を受けた心房細動患者の試験コホートでは、CHA2DS2-VAScとGARFIELD-AFによる脳卒中スコアは、中程度の予測能力で、判定された血栓塞栓症イベントと関連していた。単純なCHA2DS2-VAScスコアは、複雑なGARFIELD-AFスコアに比べて識別能力が向上し、臨床的有用性と純臨床的利益が向上したことが示された。

引用文献

Stroke and Thromboembolism in Warfarin-Treated Patients with Atrial Fibrillation: Comparing the CHA2DS2-VASc and GARFIELD-AF Risk Scores
Marco Proietti et al. PMID: 33296920 DOI: 10.1055/a-1333-4448
Thromb Haemost. 2020 Dec 9. doi: 10.1055/a-1333-4448. Online ahead of print.

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