日本人2型糖尿病患者に対するイメグリミン単剤治療の有効性と安全性はどのくらいですか?(TIMES1試験; DB-RCT; Diabetes Care. 2021)

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ミトコンドリア機能改善薬 Imeglimin(イメグリミン)とは?

糖尿病患者において、細胞内ミトコンドリアの機能低下が報告されています。ミトコンドリア機能が低下することでインスリン分泌も低下することが報告されています。

このミトコンドリア機能を改善する新規クラス薬として、テトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化学物質 “イメグリミン” の開発が進み、2020年7月30日に大日本住友製薬が日本で製造販売承認を申請しました。2型糖尿病の主な成因であるインスリン分泌不全とインスリン抵抗性の両方の改善が期待されています。

イメグリミンの具体的な効果として、グルコース応答性のインスリン分泌の増強や、筋肉での糖取り込みを増やしたり肝糖新生を抑えるインスリン様の作用により、血糖改善効果を発揮します。

今回は、日本人2型糖尿病患者を対象とし、イメグリミンの有効性・安全性を検証したTIMES1試験の結果をご紹介します。

試験結果から明らかになったことは?

本試験結果によれば、日本人の2型糖尿病患者において、イメグリミンは、プラセボと比較してHbA1cを有意に改善し、プラセボと同様の安全性プロファイルを有していました。

イメグリミンプラセボ
例数106107
24週目までの平均HbA1cの変化
(主要エンドポイント)
抄録に記載なし抄録に記載なし
調整平均差-0.87%
(95%CI -1.04 ~ -0.69)
1件以上発現した有害事象47例(44.3%)48例(44.9%)

ベースラインから治療24週目までの平均HbA1cについて、抄録に記載されていませんが、プラセボとの調整平均差は有意でした(P<0.0001)。有害事象においては群間差はなさそうですが、新規機序の薬剤でもあるため、有害事象の内訳が気になるところです。

2型糖尿病治療における新たな選択肢として期待が持てそうな反面、用法は1,000mgを1日2回と、ややアドヒアランスに懸念があります。またインスリンやスルホニルウレア(SU)剤との併用療法の有効性・安全性が気になるところです。イメグリミンの作用機序から推測すると、特にインスリンあるいはSU剤との併用により、低血糖リスクが増加しそうです。

また長期的な安全性を検証することは必須です。今後のエビデンス集積が待たれます。

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✅まとめ✅ 日本人2型糖尿病患者におけるイメグリミン使用は、プラセボと比較して24週目のHbA1cを有意に改善し、プラセボと同様の安全性プロファイルを有していた

根拠となった論文の抄録

目的:日本人の2型糖尿病患者を対象に、新規経口抗糖尿病薬ファーストインクラスであるイメグリミンの有効性と安全性を検討することであった。

研究デザインと方法:本試験は、日本の30施設を対象とした二重盲検、ランダム化、並行群間比較、プラセボ対照の第3相試験である。
対象者は20歳以上の2型糖尿病患者で、食事療法と運動療法を受けており、スクリーニング前に12週間以上安定しており、HbA1cが7.0~10.0%(53~86mmol/mol)を満たした患者とした。患者は、24週間、イメグリミン経口投与(1,000mgを1日2回)またはプラセボにランダム割り付けされた(1:1)。
治験責任者、参加者、治験依頼者は試験期間中、盲検状態を維持した。
主要エンドポイントはベースラインから24週目までの平均HbA1cの変化であり、主要な副次的エンドポイントは24週目における奏効率(2つの定義による)であった。

結果:2017年12月26日から2019年2月1日までの間に、患者それぞれをイメグリミン106例とプラセボ107例にランダム割り付けした。プラセボと比較して、24週目におけるベースラインHbA1cからの変化の調整平均差は-0.87%(95%CI -1.04 ~ -0.69[-9.5mmol/mol、95%CI -11.4 ~ -7.5];P<0.0001)であった。イメグリミン群では47例(44.3%)が1件以上の有害事象を報告したのに対し、プラセボ群では48例(44.9%)の有害事象が報告された。

結論:イメグリミンは、日本人の2型糖尿病患者において、プラセボと比較してHbA1cを有意に改善し、プラセボと同様の安全性プロファイルを有していた。イメグリミンは、日本人2型糖尿病患者にとって新たな治療選択肢となる可能性を秘めている。

引用文献

Efficacy and Safety of Imeglimin Monotherapy Versus Placebo in Japanese Patients With Type 2 Diabetes (TIMES 1): A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled, Parallel-Group, Multicenter Phase 3 Trial
Julie Dubourg et al. PMID: 33574125 DOI: 10.2337/dc20-0763
Diabetes Care. 2021 Feb 11;dc200763. doi: 10.2337/dc20-0763. Online ahead of print.
ーー続きを読む https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33574125/

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