糖尿病患者および非糖尿病患者におけるQTc間隔・血糖値異常への影響はシプロフロキサシンとレボフロキサシンで違いがありますか?(RCT; Int J Clin Pract. 2021)

crop doctor showing pills to patient in clinic 02_循環器系
Photo by Karolina Grabowska on Pexels.com

フルオロキノロン(ニューキノロン)の副作用

フルオロキノロン系薬剤は、頻繁に使用される抗生剤です。特にレボフロキサシンとシプロフロキサシンの使用頻度は高いです。

フルオロキノロンの重大な副作用として大動脈瘤または大動脈解離リスクが指摘されていますが、その他にもサロゲートマーカーとして、QTc間隔および血糖値への影響が報告されています。しかし、QTc間隔および血糖値への影響について、薬剤クラス内における比較は充分にされていません。

今回ご紹介するのは、QTc間隔および血糖値への影響についてレボフロキサシンおよびシプロフロキサシンを比較検討した研究です。

試験結果から明らかになったことは?

成人患者200例を対象にしたランダム化比較試験の結果によれば、糖尿病患者と非糖尿病患者においてレボフロキサシンのQTc延長の相対リスクはシプロフロキサシンの約4倍非糖尿病患者では約1.5倍と、シプロフロキサシンを上回った。

血糖値異常症の相対リスクは、糖尿病患者では2.28倍、非糖尿病患者では1.39倍であり、それぞれシプロフロキサシンの1.39倍以上であった。

糖尿病患者非糖尿病患者
QTc延長4倍1.5倍
血糖値異常2.28倍1.39倍
シプロフロキサシンに対するレボフロキサシンの相対リスク
photo of gray cat looking up against black background

✅まとめ✅ 糖尿病患者および非糖尿病患者において、シプロフロキサシンよりもレボフロキサシンの方がQTc延長および高血糖のリスクが高いことが示された。また低血糖リスクは、非糖尿病患者においてシプロフロキサシンよりもレボフロキサシンの方が高かった。

根拠となった論文の抄録

背景:フルオロキノロン系の中でもレボフロキサシン、シプロフロキサシンは使用頻度が高く、このクラスの薬剤使用による心臓の安全性やグルコース鬱血(glucose hemostasis)の問題が指摘されている。

目的:糖尿病患者と非糖尿病患者におけるQTc延長および血糖値異常のリスクに関して、レボフロキサシン及びシプロフロキサシンの静脈内投与を比較する。

方法:Beni-Suef大学病院において、成人患者200例を対象に6ヵ月間のランダム化プロスペクティブ試験を実施した。患者はレボフロキサシン750mgを1日1回、またはシプロフロキサシン400mgを1日2回静脈内投与された。抗生物質投与開始前、24時間後、初回投与後72時間後、抗生物質投与中止後72時間後において、各患者から心電図と空腹時血糖値を取得した。

結果:本試験の結果、糖尿病患者と非糖尿病患者では、レボフロキサシンのQTc延長の相対リスクはシプロフロキサシンの約4倍、非糖尿病患者では約1.5倍と、シプロフロキサシンを上回った。血糖値異常症の相対リスクは、糖尿病患者では2.28倍、非糖尿病患者では1.39倍であり、それぞれシプロフロキサシンの1.39倍以上であった。

結論:本研究では、糖尿病患者および非糖尿病患者において、シプロフロキサシンよりもレボフロキサシンの方がQTc延長および高血糖のリスクが高いことが示された。また、低血糖のリスクは、非糖尿病患者ではシプロフロキサシンよりもレボフロキサシンの方が高かった。

引用文献

Effect of ciprofloxacin vs levofloxacin on QTc-interval and dysglycemia in diabetic and non-diabetic patients
Nada A Saad et al. PMID: 33559294 DOI: 10.1111/ijcp.14072
Int J Clin Pract. 2021 Feb 8;e14072. doi: 10.1111/ijcp.14072. Online ahead of print.

関連記事

【大動脈瘤または大動脈解離のリスクは、感染症およびフルオロキノロンの使用と独立して関連していますか?】

【安易に抗生剤を使うと救急外来の受診率が上がる?】

コメント

タイトルとURLをコピーしました