中等度から重度の関節リウマチ患者に対するJAK阻害薬の比較(NWM; Adv Ther. 2020)

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Comparative Efficacy of JAK Inhibitors for Moderate-To-Severe Rheumatoid Arthritis: A Network Meta-Analysis

Janet Pope et al.

Adv Ther. 2020 May;37(5):2356-2372. doi: 10.1007/s12325-020-01303-3. Epub 2020 Apr 15.

PMID: 32297280

PMCID: PMC7467453

DOI: 10.1007/s12325-020-01303-3

Keywords: Clinical remission; Disease-modifying antirheumatic drugs; Janus kinase inhibitors; Network meta-analysis; Rheumatoid arthritis; Rheumatology.

はじめに

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬は、関節リウマチ(RA)の標的治療薬の一つであり、臨床的な有効性が確立されている。しかし,それぞれの有効性についてはほとんど知られていない。

本ネットワークメタアナリシス(NMA)では、関節リウマチで承認されているJAK阻害薬の有効性を比較検討した。

方法

従来の合成疾患修飾抗リウマチ薬で十分な効果が得られなかった(csDMARD-IR)中等度から重症のRA患者を対象に、承認されている3種類のJAK阻害薬(トファシチニブ、バリシチニブ、ウパダシチニブ)の単剤療法または併用療法としての有効性を評価する第III相ランダム化比較試験(RCT)を対象とした文献レビューを実施した。

ベイズNMAを用いて、米国リウマチ学会(ACR)20/50/70の奏効率と臨床的寛解(DAS28-CRP<2.6と定義)を12週目と24週目に分けて評価した。

結果

・RCT 11件が同定され、NMAに含まれた。

・すべてのJAK阻害薬はcsDMARDよりも有意に優れた有効性を示した。

・併用療法の中では、ウパダシチニブ15mgが最も高い12週間のACR50反応を示した(中央値[95%信頼区間]:43.4%[33.4〜54.5%])、次いでトファシチニブ5mg(38.7%[28.6〜49.8%])、バリシチニブ2mg(37.1%[25.0〜50.6%])、バリシチニブ4mg(36.7%[27.2〜47.0%])であった。ACR20/70および24週目にも同様の結果が観察された。

・また、ウパダシチニブ15mg+csDMARDは12週目に最も高い臨床寛解率を示した(29.8%[16.9〜47.0%])、次いでトファシチニブ5mg(24.3%[12.7〜40.2%])、バリシチニブ4mg(22.8%[11.8〜37.5%])、バリシチニブ2mg(20.1%[8.6〜37.4%])であった。24週目にも同様の結果が得られた。

・単剤療法のうち、ウパダシチニブはトファシチニブ(30.4%[18.3〜45.5%])よりも高いACR50奏効率(38.5%[25.3〜53.2%])を示した。

・有効性指標の差は,JAK 阻害薬間では統計学的に有意ではなかった。

結論

csDMARD-IRのRA患者を対象としたJAK阻害薬の併用療法および単剤療法の中で、ウパダシチニブ 15mg 1日1回投与の方が、ACR反応および臨床的寛解の点で数値的に高い有効性を示した。

コメント

こちらの文献については批判的吟味をし、エビテンで発表予定です。

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