SARS-COV-2の新生児への母体感染とその感染経路の可能性(システマティックレビュー; BJOG. 2020)

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Maternal transmission of SARS-COV-2 to the neonate, and possible routes for such transmission: a systematic review and critical analysis

K F Walker et al.

BJOG. 2020 Jun 12;10.1111/1471-0528.16362. doi: 10.1111/1471-0528.16362. Online ahead of print.

PMID: 32531146

PMCID: PMC7323034

DOI: 10.1111/1471-0528.16362

Tweetable abstract: Risk of neonatal infection with COVID-19 by delivery route, infant feeding and mother-baby interaction.

Keywords: COVID-19; SARS-COV-2; artificial feeding; birth; breast-feeding; caesarean; disambiguation; duplicate publication; isolation; neonatal infection; pregnancy.

背景

妊娠中のCOVID-19の初期の報告では、帝王切開による管理、新生児の厳密な隔離、および粉ミルクの給餌が記載されている。この方法は正当化されているのか?

目的

新生児がSARS-CoV-2に感染するリスクを、分娩様式、乳児への給餌の種類、および母子相互作用別に推定すること。

検索戦略

2019年9月から2020年6月の間に2つのバイオメディカルデータベースを検索した。

選定基準

COVID-19が確認された妊婦の症例報告または症例シリーズで、新生児アウトカムが報告されているもの。

データ収集と分析

分娩様式、乳児感染状況、乳児の授乳、母子相互作用についてデータを抽出した。

報告された乳児感染については、垂直伝播の可能性を評価するために臨界分析を行った。

主な結果

・女性655例および新生児666例について、分娩様式および乳児感染状況に関する情報が含まれていた研究は49件であった。

・すべての研究において、新生児 28/666例(4%)が産後に陽性反応を示した。

・経膣分娩で生まれた新生児のうち、8/292例(2.7%)が陽性であったのに対し、帝王切開で生まれた新生児は20/374例(5.3%)であった。

・授乳や離乳に関する情報は欠落していることが多いが、報告されている母乳育児の新生児では7/148例(4.7%)が陽性であったのに対し、粉ミルク育児の新生児では3/56例(5.3%)が陽性であった。

・母親と一緒に授乳していたと報告された新生児のうち、4/107例(3.7%)が陽性反応を示したのに対し、隔離されていたと報告された新生児では6/46例(13%)であった。

結論

新生児のCOVID-19感染はまれであり、症状を示すことはほとんどなく、経膣出産、母乳育児、母親と一緒にいる場合でも感染率は高くなかった。

✅まとめ✅ 産後にCOVID-19陽性であった新生児は4%(28/666例)であり、また症状を示すことはほとんどなかった。COVID-19感染において、出産や育児、母親との接触時間による影響は少ないかもしれない

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