Early Rhythm-Control Therapy in Patients with Atrial Fibrillation
Paulus Kirchhof et al.
August 29, 2020
DOI: 10.1056/NEJMoa2019422
Funded by the German Ministry of Education and Research and others
ISRCTN number, ISRCTN04708680. opens in new tab
ClinicalTrials.gov number, NCT01288352. opens in new tab
EudraCT number, 2010-021258-20. opens in new tab.
背景
心房細動の管理が改善されたにもかかわらず、この状態の患者は心血管系合併症のリスクが依然として高い。
早期のリズムコントロール療法でこのリスクを軽減できるかどうかは不明である。
方法
この国際共同治験では、初期の心房細動(登録の1年前までに診断された)と心血管系疾患を有する患者を対象に、早期のリズムコントロールと通常治療のどちらかにランダム割り付けした。
早期リズムコントロールには、ランダム化後の抗不整脈薬による治療または心房細動アブレーションが含まれた。通常ケアは心房細動に関連した症状の管理にリズムコントロールを限定した。
第1次の主要アウトカムは心血管系原因による死亡、脳卒中、心不全(HF)または急性冠症候群(ACS)の悪化を伴う入院の複合であり、第2次の主要アウトカムは1年あたりの入院日数であった。
第1次の安全性アウトカムは、リズムコントロール療法に関連した死亡、脳卒中、または重篤な有害事象の複合体であった。症状や左室機能などの副次的アウトカムも評価された。
結果
・135施設で、初期心房細動患者2,789例(診断からの期間中央値36日)がランダム化を受けた。この試験は、患者1例当たりの追跡期間の中央値が5.1年であった後、3回目の中間解析で有効性を理由に中止された。
・第1次アウトカムイベントは、早期リズムコントロール群249例(3.9例/100人・年)および通常ケア群316例(5.0例/100人・年)で発生した。
第1次アウトカムイベント:ハザード比 0.79、96%信頼区間 0.66~0.94;P=0.005
・平均(±SD)在院日数は群間で有意差はなかった(それぞれ5.8±21.9日/年、5.1±15.5日/年、P=0.23)。
・主要安全性アウトカムイベントの発生率には両群間で有意差はなかった。リズムコントロール療法に関連した重篤な有害事象が発生したのは、早期リズムコントロール群では4.9%、通常治療群では1.4%であった。2年後の症状と左室機能には両群間で有意差はなかった。
結論
早期のリズムコントロール療法は、早期の心房細動と心血管疾患を有する患者において、通常のケアよりも心血管アウトカムのリスクが低いことと関連していた。
コメント