COVID-19診断におけるRT-PCRとCTの関係性とは?(オランダ単施設 前向き研究; PLoS One. 2020)

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CT in relation to RT-PCR in diagnosing COVID-19 in The Netherlands: A prospective study

Hester A Gietema et al.

PLoS One. 2020 Jul 9;15(7):e0235844. doi: 10.1371/journal.pone.0235844. eCollection 2020.

PMID: 32645053

PMCID: PMC7347219

DOI: 10.1371/journal.pone.0235844

背景

救急科(ED)患者のコロナウイルス病(COVID-19)の有無を早期に鑑別することは非常に重要である。胸部CTスキャンはCOVID-19の早期診断に役立つ可能性がある。SARS-CoV-2のRT-PCRを参考基準としたCTの診断精度を検討し、両検査の結果が不一致の理由を検討した。

方法

オランダで行われたこの前向き単一施設研究では、すべての成人の症候性ED患者を対象に、ED到着時にCTスキャンとRT-PCR検査の両方を行い、CT検査の結果をPCR検査と比較した。診断精度が計算された。不一致のある結果は、退院診断を用いて調査した。

結果

・2020年3月13日から3月24日までの間に、症候性ED患者193例を対象とした。

・計43.0%の患者でPCRが陽性、56.5%の患者でCTが陽性となり、感度89.2%、特異度68.2%、尤度比(LR)+2.81、LR-0.16となった。

・感度は、ハイリスク肺炎患者(CURB-65スコア≧3、n=17、100%)および敗血症患者(SOFAスコア≧2、n=137、95.5%)で高かった。

・CT検査で感染が疑われRT-PCRが陰性であった35例(31.8%)の患者のうち、9 例は別の呼吸器ウイルス性病原体を有しており、7 例ではCOVID-19の可能性が高いと考えられた。

・CT検査で感染が疑われずPCRが陽性だった9例のうち1例はスキャン前48時間以内に症状を発症していた。

考察

症状のあるED患者における胸部CTの精度は高いが、単一の診断検査として使用した場合、CT検査はCOVID-19を安全に診断・除外することはできない。しかし、CT検査は患者を「おそらく陽性」と「おそらく陰性」のコホートに分類するための簡便なツールとして使用できる。

✅まとめ✅ COVID-19診断における胸部CTの精度は感度89.2%、特異度68.2%であり、単一の診断検査としては不充分である可能性がある

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