Guideline-Based Chinese Herbal Medicine Treatment Plus Standard Care for Severe Coronavirus Disease 2019 (G-CHAMPS): Evidence From China
Yong-An Ye et al.
Front Med (Lausanne). 2020 May 27;7:256. doi: 10.3389/fmed.2020.00256. eCollection 2020.
PMID: 32574340
PMCID: PMC7267028
Clinical Trial Registration: http://www.chictr.org.cn/index.aspx. Uniqueidentifier: ChiCTR2000029418.
Keywords: COVID-19; Chinese herbal medicine; guideline; pilot study; randomized controlled trial.
背景
1月には、コロナウイルス疾患2019(COVID-19)と戦うための全国的なガイドラインが作成され、中国全土での使用が推奨された。漢方薬(CHM)もCOVID-19の様々な段階で治療計画の一部として含まれていた。
方法
中国の武漢で重症 COVID-19 患者を対象としたランダム化対照試験を試験的に実施した。対象となった成人患者を2:1の割合でランダム割り付けし、CHM+標準治療を7日間受けるか、標準治療のみを7日間受けるかを選択した。
主要アウトカムは、治療後のCOVID-19の重症度分類の変化であった。
結果
・2020年1月31日から2020年2月19日までの間に、スクリーニングされた100例中42例がこの試験に含まれた。CHM+標準治療群28例、標準治療単独群14例。
・ランダム化された42例(平均年齢[SD]60.43歳[12.69歳])のうち、65歳以上が21例(21/42例、50%)、女性が35例(35/42例、83%)、主要アウトカムのデータは42例(42/42例、100%)が有していた。
・主要アウトカムについては、各群の患者1例が治療中に死亡した。死亡への移行のオッズは、CHM+標準治療群の方が標準治療単独群よりも低かった。
★共通OR =0.59、95%CI 0.148〜2.352、P=0.454
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・患者3 例(CHM+標準治療群から2例、標準治療単独群から1例)が重症から危篤状態に進行した。
・治療後、軽症、中等症、重症のCOVID-19病変は、CHM+標準治療群と標準治療単独群の17.86%(5/28例) vs. 14.29%(2/28例)、71.43%(20/28例) vs. 64.29%(9/28例)、CHM+標準治療群と標準治療単独群の0%(0例) vs. 7.14%(1/28例)であった。
結論
G-CHAMPS試験は、重症COVID-19入院患者に対する全国的なガイドラインに基づいたCHM治療のための貴重な情報を初めて提供した。
COVID-19におけるCHMの効果は臨床的に重要であり、さらなる検討と研究が必要である。
コメント
COVID-19患者において、標準治療への漢方薬の併用効果の有用性が示されています。今回紹介するのは中国で行われたオープンラベルのランダム化比較試験(割付は隠蔽化され、アウトカム評価者もマスクされていたようです)。パイロット試験ですので、やや小規模ではあるものの、重要な試験であると考えます。
さて、試験結果によれば、漢方薬+標準治療は、標準治療と比較して、疾患重症度の進行を抑える傾向にありました(OR =0.59、95%CI 0.148〜2.352、P=0.454)。
本試験の結果を知りたいところです。
1点気にかかるのは、対象患者により、漢方薬の成分を変えているようですので、一般化が困難であることです。日本の漢方薬のようにFixed-Doseでの効果を検証した方が、一般化可能性が高まると考えます。
ちなみに漢方薬の内訳はこちら↓に記載されています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7267028/bin/Data_Sheet_1.PDF
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