英国におけるCOVID-19入院患者20,133例の特徴とは?(イギリス前向きコホート研究; ISARIC WHO CCP-UK; BMJ 2020)

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Features of 20,133 UK Patients in Hospital With covid-19 Using the ISARIC WHO Clinical Characterisation Protocol: Prospective Observational Cohort Study

Annemarie B Docherty et al.

BMJ. 2020 May 22;369:m1985. doi: 10.1136/bmj.m1985.

PMID: 32444460

DOI: 10.1136/bmj.m1985

Study registration: ISRCTN66726260.

目的

国際重症急性呼吸器・新興感染症コンソーシアム(ISARIC)世界保健機関(WHO)臨床特性評価プロトコルUK(CCP-UK)試験に登録された、本アウトブレイクの第1波の成長期に英国でコロナウイルス疾患2019(COVID-19)で入院した患者の臨床的特徴を明らかにし、入院中の死亡率に関連する危険因子を探索すること。

試験デザイン

迅速なデータ収集とほぼリアルタイムでの解析を行ったプロスペクティブ観察コホート研究。

試験設定

2020年2月6日から4月19日までの間に、イングランド、ウェールズ、スコットランドの急性期病院208施設。

臨床データの収集には、ISARICとWHOが開発した症例報告書フォームを用いた。

2週間(2020年5月3日まで)という最小限のフォローアップ期間で、ほとんどの患者が入院を完了することができた。

試験参加者

COVID-19の入院患者20,133例。

主要評価項目

クリティカルケア(high dependency unitまたは集中治療室)への入院および入院中の死亡率。

結果

・COVID-19で入院した患者、または入院中にCOVID-19の診断を受けた患者の年齢中央値は73歳(離散値範囲 58~82、範囲 0~104)であった。

・男性の方が女性よりも多く入院していた(男性 60%、n=12,068;女性40%、n=8,065)。

・入院前の症状の持続期間の中央値は4日(中間値範囲 1~8)であった。

・最も一般的な併存疾患は、慢性心疾患(31%、5,469/17,702例)、非合併糖尿病(21%、3,650/17,599例)、非喘息性慢性肺疾患(18%、3,128/17,634例)、慢性腎臓病(16%、2,830/17,506例)であった。全体の23%(4,161/18,525例)には主要な併存疾患は報告されていなかった。

・全体では、患者の41%(8,199/20,133)が(生存したまま)退院し、26%(5,165/20,133例)が死亡し、34%(6,769/20,133例)が報告日にケアを継続していた。

・17%(3,001/18,183例)がhigh dependency unit(一般病棟よりも1段階高度な集中ケア病棟)または集中治療室(ICU)への入院を必要とした。このうち28%(826/3,001例)が生きたまま退院し、32%(958/3,001例)が死亡し、41%(1,217/3,001例)が報告日にケアを継続して受けていた。機械的換気を受けている者のうち、17%(276/1,658例)が生きたまま退院し、37%(618/1,658例)が死亡し、46%(764/1,658例)が入院したままであった。

・年齢、男性、および慢性心疾患、非喘息性慢性肺疾患、慢性腎臓病、肝臓病、肥満などの併存疾患の増加は、入院中の死亡率の増加と関連していた。

結論

ISARIC WHO CCP-UKは、COVID-19を有する入院患者を対象とした大規模プロスペクティブコホート研究である。この研究は本報告時点でも引き続き登録を行っている。

研究参加者では、死亡率が高く、独立した危険因子はより高齢、男性、肥満を含む慢性併存疾患であった。

本研究は、パンデミックへの備えの重要性と、アウトブレイクに対応して研究研究を開始する準備態勢を維持する必要性を示した。

コメント

COVID-19患者の特徴について検討した試験。現在もフォローアップしているようで、今回はCOVID-19の入院患者20,133例について報告しています。

さて、本試験結果によれば、死亡率が高く、独立した危険因子はより高齢、男性、肥満を含む慢性併存疾患でした。また全体の26%(5,165/20,133例)が死亡しました。

一見、死亡率が高いように思われますが、全人口における死亡率を検討しているわけではないため、結論は出せません。

注目すべきは、死亡症例における危険因子であると考えます。あくまでも仮説生成ではありますが、高齢、男性、肥満を含む慢性併存疾患を有するCOVID-19患者においては、迅速な治療が必要かもしれません。

✅まとめ✅ 大規模な前向きコホート研究(ISARIC WHO CCP-UK)において、高死亡率に関する独立した危険因子はより高齢、男性、肥満を含む慢性併存疾患であった

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