The use of ceftolozane-tazobactam in the treatment of complicated intra-abdominal infections and complicated urinary tract infections-A meta-analysis of randomized controlled trials.
Cheng IL et al.
Int J Antimicrob Agents. 2020 Feb;55(2):105858.
doi: 10.1016/j.ijantimicag.2019.11.015. Epub 2019 Nov 28.
KEYWORDS: ceftolozane-tazobactam; complicated intra-abdominal infections; complicated urinary tract infections
PMID: 31786332
目的
本研究の目的は、成人患者における複雑性腹腔内感染症(cIAI)および複雑性尿路感染症(cUTI)の治療におけるceftolozan-tazobactam(セフトロザン/タゾバクタム)の臨床的有効性と安全性をメタアナリシスにより評価することであった。
方法
PubMed、Embase、Cochraneデータベースを2019年6月まで検索した。成人患者のcIAIおよびcUTIの治療にセフトロザン/タゾバクタムと比較薬を評価したランダム化比較試験(RCT)のみを対象とした。
一次アウトカムは臨床治癒率、副次アウトカムは臨床的治療失敗率、微生物学的除菌率、有害事象(AE)リスクとした。
結果
・解析にはRCT3件が含まれていた。全体的にセフトロザン/タゾバクタムは、微生物学的意図的治療(mITT)集団(オッズ比[OR] =0.87;95%信頼区間[CI] 0.43〜1.79;I2=73%)および臨床的評価可能(CE)集団(OR =1.22;95%CI 0.79〜1.88;I2=0%)において、比較対照薬と同等の臨床治癒率を示した。
・さらに、セフトロザン/タゾバクタムは、病原体の微生物学的除菌率が同等であった(OR =1.31;95%CI 0.42~4.10;I2=37%)。
・治療開始時のAE(OR =1.04;95%CI 0.87~1.23;I2=0%)、重篤なAE(OR =1.16;95%CI 0.67~1.99;I2=37%)、AEによる試験薬の中止(OR =0.77;95%CI 0.17〜3.47)、死亡率(OR =1.62;95%CI 0.69〜3.77、I2=0%)は、セフトロザン/タゾバクタムと比較薬との間で有意差はなかった。
結論
成人患者のcIAIおよびcUTIの治療において、セフトロザン/タゾバクタムの臨床的有効性は比較薬と同程度に高く、忍容性は良好である。
コメント
セフトロザン/タゾバクタム(ザバクサ®️)の有効性、安全性について解析した研究。解析に組み入れられたランダム化比較試験は3件であり、結果を過大解釈する可能性が高い。また試験数が少ないため、アウトカムにより異質性が高いものもあるが、有害事象や死亡率で異質性が「ない」あるいは「低」である点は評価できる。
ただし今回の評価対象患者は、複雑性腹腔内感染症(cIAI)および複雑性尿路感染症(cUTI)。肺炎や敗血症については含まれていない。続報を待ちたい。
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