日本のラジオ体操は入院中の2型糖尿病患者における筋骨格筋の減少を防げますか?(小規模・後向きコホート研究; BMJ Open Diabetes Res Care. 2020)

Japanese Radio Calisthenics Prevents the Reduction of Skeletal Muscle Mass Volume in People With Type 2 Diabetes

Tomonori Kimura et al.

BMJ Open Diabetes Res Care. 2020 Feb.

PMID: 32098897

DOI: 10.1136/bmjdrc-2019-001027

目的

2型糖尿病患者にとって筋量と筋力の低下は重要な治療目標である。

最近の研究では、高強度レジスタンストレーニングが身体機能を改善することが報告されているが、すべての患者で高強度レジスタンストレーニングを行うことは困難であることが明らかとなった。

日本では健康増進のための治療運動とされているラジオ体操は、年齢に関係なく行える簡単な運動であり、ラジオのリズムに合わせて全身の筋肉や関節を効果的に動かすことができる。

本研究では、2型糖尿病患者を対象に、ラジオ体操の筋肉量に対する有効性をレトロスペクティブコホート研究で検討した。

研究デザインと方法

2型糖尿病の入院患者42名を募集した。

骨格筋量指数(Skeletal Muscle Mass Index:SMI、kg/m2)は、体肢骨格筋量(四肢の骨格筋量の合計、kg)÷身長の二乗(m2)として算出した。 SMIの変化を入院開始時と終了時のSMIの差と定義した。

結果

・2型糖尿病患者42名のうち、15名(男性11名、女性4名)がラジオ体操を行った。 ラジオ体操を行っている人、行っていない人ともに入院中に体重が減少した。

・SMIの変化は、ラジオ体操を行っている人の方が非運動群よりも有意に少なかった。

★SMI変化:ラジオ体操群 7.1±1.4~7.1±1.3、-0.01±0.09 kg/m2

      非運動群 6.8±1.1~6.5±1.2、-0.27±0.06 kg/m2、p=0.016

・SMIの減少率は、ラジオ体操をしていない人では85.2%(23/27人)であったが、ラジオ体操をしている人では46.7%(7/15人)であった。

結論

ラジオ体操は骨格筋量の減少を防ぐことができる。 このように、ラジオ体操は2型糖尿病患者に有効であると考えられる。

コメント

入院中の2型糖尿病患者におけるラジオ体操の効果を検証した小規模の後向き研究。

そもそも入院患者においては、筋力低下(サルコペニア等)が深刻な問題となります。最悪の場合、下肢の筋力低下により寝たきりになることもあります。

さて、本試験結果により、筋肉量の低下が抑えられました。試験の限界としては、小規模、後向き、入院期間14日、対象が2型糖尿病患者といったところでしょうか。

個人的にラジオ体操は簡便だと思いますし、入院患者で数人のグループを作り実施すれば継続しやすくなると考えられます。入院患者へのラジオ体操、取り入れてみても良いのではないでしょうか。

以下、方法を抜粋;

ラジオ体操は、昭和30年代に日本郵政によって、人々の体力向上と公衆衛生の増進を目的として確立され、日本では老若男女を問わず多くの人に親しまれてきました。ラジオ体操には、リズムに合わせて全身の筋肉や関節を動かすラジオ体操第一と、筋力向上を目的としたラジオ体操第二があります。 本研究では、ラジオ体操第二を採用した。

ラジオ体操の所要時間は約3分、運動強度は4.5METs。

入院期間は約14日間とし、入院中は朝食前と夕食後に1回、1日2回、ベッドサイドで第2回ラジオ体操を行うように指導した。

ラジオ体操のトレーニングスキームは、DVDの映画を見ながらのアコーダンスとした。ラジオ体操と早歩きを中心とした有酸素運動以外のレジスタンストレーニングは指導していない。

✅まとめ✅ 1日2回のラジオ体操第二(および早歩きを中心とした有酸素運動)の実施は、入院中の2型糖尿病患者の筋力低下を抑えるかもしれない

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