COVID-19管理における抗ウイルス療法の効果はどのくらいですか?(システマティックレビュー; Arch Acad Emerg Med. 2020)

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Antiviral Therapy in Management of COVID-19: A Systematic Review on Current Evidence

Mahmoud Yousefifard et al.

Arch Acad Emerg Med. 2020 Apr 6;8(1):e45. eCollection 2020.

PMID: 32309809

PMCID: PMC7156260

Keywords: Antiviral Therapy; COVID-19; Treatment.

背景

今回のシステマティックレビューの目的は、COVID-19の治療における抗ウイルス療法の有効性を評価することである。さらに、COVID-19の潜在的な治療選択肢を特定するために、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)または中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の管理における抗ウイルス療法の有効性に関する臨床試験もレビューされている。

方法

Medline、Embase、Scopus、Web of Science、CENTRALのデータベースで、2020年3月15日までの大規模な検索を行った。

2名の独立した研究者がスクリーニングを行い、最終的に関連する研究を含めた。

結果

・COVID-19の管理における抗ウイルス療法の有効性に関する臨床試験は1件のみであった。その結果、重症COVID-19患者の標準治療レジメンにロピナビル/リトナビルを追加しても効果がないことが明らかになった。

・COVID-19に対する抗ウイルス剤の処方が報告された21件の症例報告および症例報告研究は、いずれもCOVID-19に立ち向かうための抗ウイルス療法の有効性を判断するために使用することができないものであった。

・SARS-CoVおよびMERS-CoVの管理における抗ウイルス剤の有効性についての臨床試験は行われていないことが判明した。

結論

現在のエビデンスは、COVID-19に対する適切な抗ウイルス療法の提案を妨げるものであり、世界保健機関(WHO)をはじめとする国際機関にとっては深刻な懸念材料となっている。

現在のパンデミックと今後の流行の時代にあって、WHOなどの国際機関はより積極的な活動を行い、その成果が今後の流行管理に生かされるよう、計画的な臨床試験を計画すべきである。

コメント

世界的パンデミックにより、CVID-19関連の研究数が増えている今、Preprintのデータベースも含めて検索した方が良いかもしれませんね。

それでも質の高い研究がないことに変わりはありませんが、試験にどのような治療候補薬が用いられ、どのようなデザインで行われ、どのような結果であったのか知れる益は充分あると思います。特に患者背景が知れる点は大きなアドバンテージであると考えます。

さて、試験結果によれば、2020年3月15日までの文献検索結果では、抗ウイルス療法の有効性を示す研究、有効性を判断できる研究はなかったとのこと。ロピナビル/リトナビル(カレトラ®️)は早々にFailしていますね。他の試験は、研究デザインに問題があるのでしょうか。有効性を判断できなかった試験が少なくとも21件はあったようです。

やはり現状では、方法論的に問題のある臨床試験が多発してしまっているようです。普段よりも批判的に試験結果を吟味した方が良いかもしれません。

✅まとめ✅ 2020年3月15日までの文献検索結果では、COVID-19に対する抗ウイルス療法の有効性を示す研究や有効性を判断できる研究はなかった

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