Pharmacokinetics/pharmacodynamics of Acetaminophen Analgesia in Japanese Patients With Chronic Pain
Shigeo Shinoda et al.
Biol Pharm Bull. Jan 2007
PMID: 17202677
DOI: 10.1248/bpb.30.157
背景
アセトアミノフェン(APAP)はよく使用される鎮痛剤である。本研究では、日本人におけるAPAPの薬物動態と薬力学の特徴について検証した。
方法
原稿成人5人にAPAP 1000 mgを経口投与した。 また慢性疼痛患者5人に、適切な鎮痛効果を検証するために、APAP 600〜1000 mgを経口した。
血漿APAPとAPAP代謝産物の濃度は健康成人から得られたサンプルで測定され、血漿APAP濃度と視覚アナログスケールを使用した疼痛スコアについては、慢性疼痛患者で測定された。
患者データについて、遅延効果は効果コンパートメントによって検証される一次吸収1コンパートメントモデルに適合させた。またシグモイドEmaxモデルを薬力学的モデルとして使用した。
結果
・毒性代謝物N-アセチル-p-ベンゾキノン-イミンの抱合体であるアセトアミノフェン-システイン代謝物は、0.2μg/ mlよりも低いレベルで血漿中に検出されたが、副作用は観察されなかった。
・薬物動態学的および薬力学的パラメーター(平均±SD)の推定値は次のとおり;
クリアランス =18.7±4.7 L/h
分布容積=30.9±6.8 L
吸収速度定数 =2.4±1.3 h^-1
効果コンパートメントからのAPAPの消失速度定数 =1.3±0.5 h^-1
最大鎮痛スコア =4.6±2.2
最大50%のコンパートメント濃度に影響を与える持続投与用量 =2.0±1.2 μg/ml
シグモイド係数 =1.3±0.7
結論
これらのパラメーターを使用して、慢性疼痛の日本人患者に対する有効なAPAP投与計画を決定できることを示唆している。
コメント
SNSで取り上げられていたので読んでみたが、かなり微妙な論文。PK/PDだけならともかく、疼痛評価で5例は少なすぎる。
本結果を持ってアセトアミノフェンの鎮痛効果や投与量を決めるのは困難。他の論文を読んだ方が良い。
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