中部消化管出血とは?(後向き研究; J Gastroenterol. 2009)

Prevalence of Mid-Gastrointestinal Bleeding in Patients With Acute Overt Gastrointestinal Bleeding: Multi-Center Experience With 1,044 Consecutive Patients

Hirotoshi Okazaki et al.

J Gastroenterol. 2009

PMID: 19360374

DOI: 10.1007/s00535-009-0039-5

背景

ビデオカプセル内視鏡検査(Video cCapsule Endoscopy, VCE)およびダブルバルーン小腸内視鏡検査(Double-Balloon Enteroscopy, DBE)は、小腸病変の検出を可能にする。

目的

日本におけるVCE / DBEの多施設経験において、急性顕性胃腸(GI)出血の原因とファーター膨大部から回腸終末までの小腸出血と定義される中部GI(mid-GI, middle GI)出血の有病率を調べること。

方法

参加病院10施設で急性かつ明白なGI出血の連続した患者から遡及的にデータを収集した。

すべての患者は食道胃十二指腸鏡検査および/または大腸内視鏡検査によって検査された。

これらの処置後に出血の原因が特定されなかった場合、GI中部の出血が疑われる患者を当院に紹介させ、VCE / DBEを実施して出血の原因を特定した。

結果

・急性かつ明白なGI出血を伴う患者1,044人のうち、524人(50.2%)が上部GI出血、442人(42.3%)が下部GI出血、13人(1.2%)が中部GI出血と診断された。

・胃潰瘍は出血の最も一般的な原因だった(20.4%)。

・中部GI出血の症例のうち、潰瘍は4人(30.8%)、びらん3人(23.1%)、血管形成異常3人(23.1%)、粘膜下腫瘍2人(15.4%)、血管腫1人(7.7 %)。

・空腸に7個、回腸に5個、空腸と回腸の両方に1個の病変が認められた。

・年齢に関連した原因分析により、40歳未満の若い患者の中部GI出血の有病率(5%)は、他の年齢グループ(1-2%)よりも高いことが示された。

結論

急性かつ明白な消化管出血の日本人患者では、中部消化管の出血はまれだった。

コメント

消化管の中部という言葉を初めて知りました。本研究は日本からの報告。

上部でも下部でもない原因不明の出血と診断される場合があります。もしかしたら、その場合が中部GI出血かもしれませんね。ただ有病率としては1.2%とかなり少ないようですし、上部でも下部でも中部でもない出血もあるようなので、難しいところですね。

✅まとめ✅ 消化管出血の原因箇所は上部50.2%、下部42.3%、中部1.2%

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