高血圧患者における ACE阻害薬と ARBはどちらが優れてますか?(Eur J Prev Cardiol. 2017)

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Angiotensin-converting enzyme inhibitors reduce mortality compared to angiotensin receptor blockers: Systematic review and meta-analysis.

Salvador GL et al.
Eur J Prev Cardiol. 2017 Dec;24(18):1914-1924.
PMID: 28862020

試験の背景

高血圧集団におけるアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE-I)またはアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)長期使用の結果を比較するレビューはほとんどありません。それは両方とも同様に血圧低下作用があるためです。
高血圧患者における AC-Iまたは ARBとプラセボ群とを比較した研究はなかった。なぜなら前述の比較デザインを検証した研究が殆どないからです。

方法

200011日〜20151231日まで PUBMEDLILACSSCIELOICTRPCochraneEMBASEおよび ClinicalTrials.govを系統的に検索し、ACE-Iまたは ARB使用と心血管アウトカムとの関係について検討した前向き研究を選択した。
心血管アウトカムは次の通り:①心不全/入院、②脳卒中、③急性心筋梗塞、④全心臓血管死、⑤全死亡および⑥全アウトカム。
集団オッズ比(ORs)と 95%信頼区間(CIs)を固定効果モデルを用いて組み合わせた。

結果

17試験(n = 73,761には ACE-In =12,170)の 5試験と ARBn =24,697)の 12試験が含まれていた。
ACE-I使用は、全死亡OR =0.85, 95CI 0.780.93)および心血管死OR =0.77, 95CI 0.690.87)を有意に減少させた。
ARB使用は、全死亡OR =1.02, 95CI 0.961.09)または心血管死OR =0.95, 95CI 0.861.06)を減少させなかった。
急性心筋梗塞脳卒中心不全/入院については、両クラスともに有意な減少を示した。

結論

ACE-Iまたは ARBの使用は、急性心筋梗塞、脳卒中および心不全/入院に関する主要な心血管アウトカム予防において同様であった。しかし、ACE-Iの使用は、ARBよりも総死亡および心血管死を低減する上でより有効であった。

キーワードMeta-analysis; angiotensin II receptor blocker; angiotensin-converting enzyme inhibitor; hypertension; outcomes


コメント

アブストのみ。網羅的に論文検索を行っていることがわかる。またアウトカムはほぼハード。統合された論文数は 17と多い。
本結果は過去の報告と矛盾しない。ARBよりも ACE-Iの方が優れていそう。
コストも踏まえれば、まずは ACE-Iで充分ではないでしょうか。
大体のことに言えるかもしれませんが、「新しかろう, 良かろう」からは、そろそろ決別したほうが良いと思う。

✅まとめ✅ ACE阻害薬はARBよりも全死亡および心血管死が少ない

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