高齢2型糖尿病患者における血糖コントロールは認知症発症に影響しますか?(中国 人口ベース コホート研究; Age Ageing. 2019)

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Higher Dementia Incidence in Older Adults With Type 2 Diabetes and Large Reduction in HbA1c

Allen T C Lee et al.

Age Ageing. 2019

PMID: 31574142

DOI: 10.1093/ageing/afz108

背景

2型糖尿病は認知症リスクを2倍に増加させるが、晩年の血糖値を最適化することで認知症リスクを軽減できるかどうかは依然として不明である。1年以内に米国糖尿病協会(ADA)が推奨する血糖目標を達成することが、6年間にわたって認知症リスクを低下させるかどうかを検討した。

方法

本人口ベースの観察研究では、ベースラインで香港の高齢者保健センターに参加し、2,246人の中国コミュニティに住む認知症のない2型糖尿病高齢者についてHbA1cレベルと認知状態を6年間追跡した。

ADAの推奨事項に沿って、血糖目標をHbA1c <7.5%と定義した。 研究結果は、病気および関連する健康問題の国際統計分類(ICD-10)の第10改訂版または1-3の臨床的認知症評価に従って診断された、6年間の偶発性認知症だった。

結果

・HbA1cがベースラインで7.5%以上、1年でHbA1c <7.5%の患者は、重度の低血糖、血糖変動性、その他の健康要因とは無関係に、認知症の発生率が低くなるよりも高くなることに関連していた。

・感度分析では、ベースラインで高(HbA1c 8%以上)および中程度(HbA1c 6.5-7.9%)において、1年以内の相対減少率が5-10%ではなく10%以上の場合に認知症発生率が高いことが示された。

結論

HbA1cの大幅な減少は、2型糖尿病の高齢者の潜在的な予測因子であり、認知症のリスク因子である可能性がある。本集団における血糖コントロールの最適化または強化には注意が必要であることを示唆している。

コメント

アブストのみ。

中国の人口ベースコホート研究。ベースラインHbA1cが7.5%以上かつ、その後のHbA1cが7.5%未満の場合に認知症発症リスクが高まるようです。また感度分析では、ベースラインHbA1c 6.5%以上のグループでは、1年以内の相対減少率10%以上のHbA1c低下が認知症発症リスク増加となるようです。とはいえ観察研究ですので、あくまでも仮説生成。

ひとつHbA1c7.5%という区切りは、死亡や認知症発症リスクとの関連性において過去の報告と矛盾しない。

✅まとめ✅ HbA1c 6.5〜7.5%の高齢2型糖尿病患者における1年以内の急激な血糖低下は認知症発症リスクを高めるかもしれない

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