Resistance Training Enhances Delayed Memory in Healthy Middle-Aged and Older Adults: A Randomised Controlled Trial
Kieran J Marston et al.
J Sci Med Sport. Nov 2019
Trial registration: This study is registered at www.anzctr.org.au ACTRN12616000690459.
Keywords: Cognitive function; Middle-aged adults; Resistance training.
PMID: 31281076
DOI: 10.1016/j.jsams.2019.06.013
目的
高強度の運動は、認知機能低下の発症を延期または防止する潜在的な治療ツールである。ただし、健康な成人の認知機能に対する構造化されたレジスタンストレーニングの長期的効果に関する十分な証拠はない。本研究の目的は、後期中年成人の認知機能に対する2つの生態学的に有効かつ強力な12週間レジスタンストレーニングプログラムの効果を調査することだった。
試験設計
運動科学部の強度およびコンディショニング研究室での単一サイト並列ランダム化比較試験。 試験群は最小化ランダム化により割り当てられた。
方法
45人の健康な成人(年齢範囲 41〜69歳)を登録し、(A群)週に2回、12週間、高負荷、長時間休憩の抵抗トレーニング(n = 14)、または(B群)週に2回、12週間、中負荷、短時間休憩の抵抗トレーニング(n = 15)、または(C群)運動しないコントロール(n = 16)にランダム割り付けした。
フォローアップは介入後12週から7日以内だった。データは2016年9月から2017年12月に収集された。認知機能の測定は、CogStateのコンピューター化されたバッテリーを使用して実施した。評価者は、参加者グループの割り当てについて知らされていなかった。二次転帰は、最大筋力と体組成だった。
結果
・2018年に44人の参加者が分析された。
・レジスタンストレーニング群(g = 0.67〜0.79)では、コントロール群と比較して、遅延言語パフォーマンスが改善された(p = 0.02)。
・同様に、コントロール群と比較して、レジスタンストレーニング群では、最大筋力の増加が観察(p <0.01)されたが、トレーニング群間で差はみられなかった。
・一方、体組成の違いは観察されなかった。
・介入の有害事象や副作用は示されなかった。
結論
12週間の集中的なレジスタンストレーニングは、トレーニングデザイン(高負荷と中程度の負荷)に関係なく、言語記憶の遅延を改善する。
コメント
アブストのみ。当然のことなのですが,有料論文であるため試験デザインに不明な部分が多いです。また、なんといっても小規模かつPROBE法を用いている点が気になりますが、客観的なアウトカムであると考えられるため、そこまで問題はないかもしれません。
さて、今回の研究において遅延言語パフォーマンス、つまり短期記憶を検討しているのかというと、認知症の主な症状の一つである知的能力の低下において、短期記憶の一部であるワーキングメモリの機能低下が関連しているためであると考えられます。
ワーキングメモリの評価には,遅延記憶課題(今回のようなコンピュータを用いた短期記憶評価)が多く用いられています。
ただ少しpilot的な研究であると感じました。また健康成人を対象としているため、現病歴を有する患者での効果は不明。今後の報告に期待。
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