Mode of Death in Patients With Heart Failure and a Preserved Ejection Fraction: Results From the Irbesartan in Heart Failure With Preserved Ejection Fraction Study (I-Preserve) Trial
Michael R Zile et al.
Circulation. 2010
Clinical trial registration: URL: http://www.clinicaltrials.gov. Unique identifier: NCT00095238.
PMID: 20231531
DOI:10.1161/CIRCULATIONAHA.109.909614
背景
心不全で駆出率が低下している患者では、死の様相が充分に特徴づけられている。ただし、心不全と保存された駆出率(HFPEF)を持つ患者の死亡要因についてはあまり知られていない。
本研究の目的は、心不全の保存性駆出分画研究(I-Preserve)試験でイルベサルタンに登録されたHFPEF患者の死亡要因を調べ、イルベサルタンがHFPEFの死亡要因の分布を変更したかどうかを判断することだった。
方法
総死亡は臨床的エンドポイント委員会によってレビューされ、死亡要因はメンバーのコンセンサスによって割り当てられた。
結果
・I-Preserve試験の年間死亡率は5.2%だった。プラセボ群とイルベサルタン群の死亡率に有意差は認められなかった。
・死亡要因は、心血管(26%が突然死、14%が心不全、9%が脳卒中、5%が心筋梗塞)、非心血管が30%、不明が10%だった。
・プラセボとイルベサルタンの間で、死亡率における要因固有の死亡率の分布に違いは認められなかった。
結論
HFPEF患者の死亡の60%は心血管が原因であり、突然死と心不全死が最も一般的であった。イルベサルタンによる治療は、全体的な死亡率またはモード固有の死亡率の分布に影響しなかった。
コメント
アブストのみ。
HFpEFにおける死亡に至る原因としては、心血管死が60%、非血管死は30%、不明は10%だった。
心血管死の内訳は、26%が突然死、14%が心不全、9%が脳卒中、5%が心筋梗塞だった。
またイルベサルタン(イルベタン®️/アバプロ®️)使用は、プラセボと比較して、ハードアウトカム発生を抑制できなかった。
ハードアウトカムの中でも、心不全による死亡では、介入開始の約45ヵ月頃からイルベサルタンの方が発生率が増えている点には少し驚いたが、脱落を考慮すると誤差の可能性が大きいと考えられる。
それでも脳卒中は減らして欲しかったが、発生率はプラセボと同程度であった。よくよく患者背景を見てみると両群ともに、利尿剤はもちろんのこと、Ca拮抗薬なども使用しており、SBP 135/77 mmHgに保たれているため群間差が認められないのも頷ける。
コメント
[…] 心不全HFpEF患者における死亡原因は何ですか?(I-Preserve; Circulation. 2010)Mod… […]