Ramalingam SS et al.
N Engl J Med. 2019 Nov 21.
doi: 10.1056/NEJMoa1913662. [Epub ahead of print]
Funded by AstraZeneca; FLAURA
ClinicalTrials.gov number, NCT02296125.
PMID: 31751012
【背景】
オシメルチニブは、上皮成長因子受容体の第三世代の不可逆的なチロシンキナーゼ阻害剤(irreversible tyrosine kinase inhibitor of the epidermal growth factor receptor, EGFR-TKI)であり、EGFR-TKI感作性およびEGFR T790M耐性変異の両方を選択的に阻害する。
第三相試験では、EGFR変異陽性の進行非小細胞肺癌(non-small-cell lung cancer, NSCLC)患者を対象に、第一選択薬のオシメルチニブと他のEGFR-TKIを比較した。
本試験では、比較対象のEGFR-TKIよりもオシメルチニブの方が無増悪生存期間が長いことが示された(疾患の進行または死亡のハザード比 =0.46)。しかし全生存の最終分析データについては、まだ報告されていない。
【方法】
本試験では、EGFR変異(エクソン19欠失またはL858R対立遺伝子)を含む未治療の進行NSCLC患者556人を1:1の比率でランダムに割り当て、オシメルチニブ(80 mgを1日1回)または他の2つのEGFR-TKIのいずれかを投与した(1日1回250 mgのゲフィチニブまたは1日1回150 mgのエルロチニブ。これらの薬を患者は単一の比較群にまとめて投与される)。全生存は二次エンドポイントだった。
【結果】
・全生存期間(Overall Survival, OS)の中央値は、オシメルチニブ群で38.6ヶ月(95%信頼区間[CI] 34.5〜41.8)、比較群で31.8ヶ月(95%CI 26.6〜36.0)だった。
★死亡のハザード比 =0.80; 95.05% CI 0.64〜1.00、P = 0.046
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・3年後、オシメルチニブ群279人中の79人(28%)、比較群277人中の26人(9%)が試験レジメンを受け続けていた。曝露の中央値は、それぞれ20.7ヶ月と11.5ヶ月だった。
・グレード3以上の有害事象は、オシメルチニブ群の42%、および比較群の47%で報告された。
【結論】
EGFR変異を有する未治療の進行NSCLC患者の中で、オシメルチニブを投与された患者では、比較対象である他のEGFR-TKIを投与された患者よりも全生存期間が長かった。
オシメルチニブ群での曝露期間がより長いにもかかわらず、オシメルチニブの安全性プロファイルは、比較対象のEGFR-TKIのものと類似していた。
【コメント】
アブストのみ。
イレッサ®️とタルセバ®️使用群を単一のグループとして扱っていることに少し違和感を覚えましたが、本結果としてはタグリッソ®️使用によりHR =0.80と、OSの有意な延長(先送り)が観察された。層別解析の結果を知りたいところ。当然、効果だけでなく有害事象についても把握しておきたいところ。
ただしOSは副次評価項目であるため、あくまでも仮説生成的な結果であることには留意したい。
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