Gangavati A et al.
J Am Geriatr Soc. 2011 Mar;59(3):383-9.
doi: 10.1111/j.1532-5415.2011.03317.x.
PMID: 21391928
【目的】
ボストン高齢者研究の参加者における、バランス維持、自立生活、知性、および強い関心と、非コントロールおよびコントロール良好の高血圧症、起立性低血圧症(orthostatic hypotension, OH)との関係を調査すること(N =722、平均年齢78.1歳)。
【設計】
前向き集団ベース研究
【設定】
コミュニティ
【試験参加者】
ボストンのヘブライ語リハビリテーションセンターの研究本部から半径8 km(5マイル)以内に住んでいる70歳以上の成人722人。
【測定】
血圧(BP)を、仰臥位で、そして1分および3分放置した後にベースラインで測定した。
1分後および3分後の収縮期OH(SOH)および拡張期OHは、収縮期血圧の20 mmHg低下および放置時の拡張期血圧の10 mmHg低下として定義された。
高血圧は、血圧が140/90 mmHg以上または降圧薬を服用していると定義された(血圧<140/90 mmHgの場合はコントロール良好とされ、≧140/90 mmHgの場合は非コントロール、つまり、コントロール不良と定義された)。
転倒データは月次カレンダーを使用して前向きに収集された。
転倒者は追跡調査の1年以内に少なくとも2回転倒した参加者と定義された。
【結果】
・コントロール不良の高血圧患者において、OHリスクが最も高かった。
・1分後のSOHは、コントロール不良の高血圧症患者で19%、コントロール良好の高血圧症患者で5%、高血圧症ではない患者で2%であった(P≤0.001)。
・1分後のSOHを発症し、かつコントロール不良の高血圧患者では、OHのないコントロール不良の高血圧患者よりも転倒リスクが高かった(ハザード比 =2.5、95%信頼区間 1.3〜5.0)。
・OHそれ自体は転倒に関連していなかった。
【結論】
1分後のSOHを有するコントロール不良の高血圧高齢者では、1年以内に転倒する危険性がより高かった。
OHの有無にかかわらず、高血圧コントロールは、高齢の地域在住成人における転倒リスクの増大とは関連していなかった。
【コメント】
アブストのみ。
本コホートの高齢高血圧患者において、低血圧そのものは転倒リスクとはならなかった。
立位から仰向けの状態になり、1分後に低血圧を示した患者では、転倒リスクが高かった。
あくまで相関関係ではあるが興味深い研究。体位による血圧変動が大きい患者では転倒リスクに注意ということでしょうか。
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