食事およびサプリメントからの高用量ビタミンB6・B12摂取は閉経後女性における股関節骨折リスクを増加させますか?(前向きコホート研究; JAMA Netw Open. 2019)

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【試験デザイン、設定および参加者】

本前向きコホート研究では、1984年6月から2014年5月までの米国の閉経後女性75,864人が追跡調査された。分析日は2016年7月から2018年6月までであった。

股関節部骨折および広範囲の潜在的交絡因子に関する情報は、ベースライン時および2年ごとの追跡調査アンケートで収集された。
半定量的な食物摂取頻度調査票を用いて、およそ4年ごとに豊富な食事情報を収集しました。
相対リスク(RR)は、潜在的な交絡因子を調整しながら、主な暴露してビタミンB 6とB 12の累積平均摂取量を用いて、Cox比例ハザード回帰によって計算した。

【主なアウトカムと測定】

股関節の骨折。

【結果】

・追跡調査中、75,864人の女性のうち2,304人が股関節骨折を起こした。

・股関節部骨折の女性では、股関節部骨折時の年齢の中央値(範囲)は75.8歳(46.7〜93.0歳)、平均(SD)体格指数(キログラムでの体重を身長と平方の二乗で計算)は24.3(4.6) 、総ビタミンB 6およびB 12の中央値(四分位範囲)累積平均摂取量は、それぞれ3.6(4.8)mg / dおよび12.1(11.7)μg/ dであった。

・ビタミンB 6(RR =1.29, 95%CI 1.04〜1.59; ≥35 vs. <2 mg/d, 線形傾向に対してのP =0.06)およびビタミンB 12(RR =1.25, 95%CI 0.98〜1.58; ≥30 vs. <5μg/ d;線形傾向に対してP =0.02)は、骨折リスクの増加と関連していた。

・両方のビタミンを高用量で組み合わせた女性(B6 ≧35 mg/dおよび B12 ≧20 μg/d)のリクが最も高く、両ビタミンの摂取量が少ない女性(B6 <2 mg/dおよび B12 <10 μg/d)と比較して、股関節部骨折のリスクがほぼ50%増加した(RR =1.47, 95%CI 1.15〜1.89)。

【結論と関連性】

本コホート研究では、ビタミンB6とB12を組み合わせて大量に摂取すると、股関節骨折のリスクが高まった。

摂取量は、推奨される食事許容量よりはるかに高かった。これらの知見は以前の研究に追加され、有害な影響が発生する可能性があるため、ビタミンサプリメントは慎重に使用されるべきであることを示唆している。


【コメント】

アブストのみ。

大規模な前向きコホート研究。ビタミンB6とB12の高用量摂取は女性における股関節骨折リスクの増加と相関していた。

本研究結果から推察できるのは、あくまで相関関係までであり、因果の逆転も充分にあり得る。

ただ各ビタミンの推奨摂取量より多く摂る意義はなさそう。続報を待ちたい。

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